あなたの隣にいたいのです【大橋和也】 (ページ23)

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何様やねんページ23

大橋side

長尾「大橋くーーーん」

大橋「どしたん？」

ある日のインスタライブ終了後。

長尾「Aさん知りません？」

大橋「え？知らんで？さっきまでそこおったやん」

カメラの向こう側で見守っていたはずのAの姿は見当たらない。

長尾「俺明日のスケジュールで聞きたいことあんのにおらへーん！」

大橋「えー…？トイレちゃう？」

藤原「さっき大吾とあっち行ったで」

大橋「あ、ほんま？」

長尾「大橋くん一緒に行きましょー」

謙杜と一緒に廊下へ出ると、少し離れたところから大ちゃんの声が聞こえてきた。

西畑「―やから、俺はAちゃんが好き。」

その瞬間、謙杜と俺は顔を見合わせて固まる。

西畑「ずっと思っててん…」

背中を汗が伝う。

故意ではないものの盗み聞きをしている罪悪感と、Aと大ちゃんが結ばれてしまうのではないかという焦り。

両方が入り交じって複雑な感情が心を支配した。

西畑「Aちゃんにとって俺はなにわ男子の1人やろ？」

A「…はい」

西畑「…そうやんなあ」

A「ごめんなさい。西畑くんの気持ちに応えることはできないです。」

西畑「…そっかあ…」

大ちゃんには申し訳ないけど俺は嬉しかった。

Aは俺のものでも何でもないのに。

唯一の関係すらも途絶え、ただ独りよがりに好意を寄せているだけなのに。

何様やねん、と心の中でツッコミをしながら胸を撫で下ろす。

謙杜が俺の服の裾を引っ張った。

ジェスチャーで"戻りましょ"と言っている。

俺は軽く頷き、足音を立てないように元いた部屋へ戻った。

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藤原「…なあ」

雑誌撮影の合間、丈くんが小声で話しかけてきた。

大橋「ん？」

藤原「最近大吾元気ないよな？」

大橋「あー…」

あれから数日。

丈くんの言う通り、大ちゃんのテンションは低いまま。

カメラの前では切り替えているけれど、現場には暗い空気が漂う。

藤原「何か聞いてへん？」

大橋「いやー…」

話すかどうか迷った末、丈くんを信頼することに。

事の経緯を説明すると丈くんは目を丸くした。

藤原「マジで！？とうとう言ったん？あいつ」

小声ながらも全力で驚く丈くんに頷く。

藤原「うわー…気まずっ。聞いて損した。」

大橋「直接聞いた俺と謙杜の方が気まずいで」

藤原「良かった～俺その場におらんくて」