あなたの隣にいたいのです【大橋和也】 (ページ15)

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愛嬌があればページ15

高橋「ビビったあ…てか大吾くん俺のことオマケ扱いすんのやめてください」

西畑「ごめんごめん、つい」

まさかこんな所で大橋くんと遭遇するだなんて思ってもみなかった私は戸惑いを隠しきれない。

西畑「今帰るとこ？」

高橋「はい」

西畑「Aちゃんも帰るん？」

A「帰ります」

西畑「え～寂しいや～んもうちょっと飲んでこや～」

西畑くんがそう言って私の隣に座る。

高橋「いや～俺明日朝早いんすよ～」

西畑「高橋はどっちでもええよ」

高橋「…扱いの差がすごい」

西畑「…はっすん何してるん？」

大橋くんは入口で突っ立ったまま動かない。

大橋「あー…俺もそろそろ帰ろっかな」

西畑「えぇ！？」

苦笑いを浮かべる大橋くん。

あの電話の直後というだけで気まずいのに、露骨に態度に出されると余計に気まずい。

西畑「はっすんがもう1軒行こって言ったんやん」

大橋「んー…」

何も知らない西畑くんは眉間にシワを寄せて不機嫌そうにしている。

高橋「まー俺は帰るっすわ」

A「私も帰ります」

慌てて高橋くんに便乗する。

西畑「え～帰るん？」

A「私も明日早いですし…」

こうして私は逃げるように店を後にした。

すれ違いざま、一瞬だけ大橋くんと目が合ったような気がした。

だけど言葉を交わすことはなかった。

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スタジオで初心LOVEを踊る7人をぼんやりと見つめる。

スタッフ「マネージャーさん」

A「はい」

スタッフ「ちょっと押してるんですけどお時間大丈夫ですか…？」

A「はい。次の現場まで空き時間があるので。」

スタッフ「ああ、ならよかったです…」

音楽番組の収録。

疲れを見せることなくカメラに笑顔を振り撒くメンバー達。

私にもあれくらい愛嬌があれば誰かに愛してもらえるのだろうか。

スタッフ「…本当に彼らのことがお好きなんですね」

A「えっ？」

スタッフ「ずっと凝視してらっしゃるので」

A「あー…まあ」

言葉を濁す私を不思議そうに見るスタッフさん。

A「…私にもあれくらい愛嬌があればって考えてただけですよ」

スタッフ「愛嬌なんてなくても好かれそうですけどね」

A「いやいや…」

スタッフ「お綺麗ですし」

A「え…」

褒められ慣れていない私は戸惑う。

お世辞だと分かっていても嬉しい。

スタッフ「少なくとも僕は好みです」

A「えっ…？」

スタッフ「…連絡先、聞いてもいいですか？」