同級生。 ページ39
念願のCDデビューを果たしたなにわ男子。
それ以来都内でのホテル生活が続き、地元大阪には時々仕事に合わせて帰る程度になってしまった。
そんなある日、ようやくまとまった休日が貰えた。
俺は迷わず帰省することに。
丈一郎「やっぱ大阪落ち着くな」
和也「お母さんのご飯久々やわあ」
大橋も嬉しそうにニコニコしている。
完璧に変装を施した俺達は新幹線に乗り込み、品川駅から新大阪駅へ。
丈一郎「俺あっちやから」
和也「丈くん気い付けてや〜」
大きく手を振る大橋と別れて電車を乗り継ぎ、実家の最寄り駅へと到着した。
デビューする前までは当たり前だったこの景色。
今となっては特別なものになった。
何も変わらない実家周辺をのんびりと散歩しながら帰ることに。
近所の公園や幼い頃秘密基地を作った空き地、古めかしいビルや賑わう商店街。
どれもこれも思い出が詰まっている大切な場所。
「あれ？丈くん？」
やばい。見つかった。
苦笑いで振り返った先にいたのはファンではなく、見覚えのある人物だった。
丈一郎「…A？」
A「やっぱ丈くんやんなあ？めっちゃ久しぶりちゃう！？」
中学時代の同級生であるAが手を振りながらこちらへ駆け寄ってくる。
Aは中学1年生の頃、親の転勤でこの地区に引っ越してきた。
別々の高校へ進学した為、それ以来連絡を取ることもなく3年間だけ同じ学び舎で生活を共にした同級生。
丈一郎「ほんまに久々やな…中学卒業以来やもんな」
A「私はいっつもテレビで見てるから久しぶりな気せえへんけど」
ニコニコしながら俺を見つめるAはあの頃と何も変わっていない。
丈一郎「急に名前呼ばれてびっくりしたわ」
A「オーラで分かってん」
丈一郎「オーラなんて出してへん」
A「出さんくても勝手に出るもんちゃう？」
明るく笑うAを見て何となく大橋に似てるな、なんて思った。
A「今日大阪でお仕事なん？」
丈一郎「オフやで」
A「そうなん？ゆっくりできるやん！」
何となく、本当に何となく思い付きでこんな台詞を口走った。
丈一郎「飯でも行く？」
A「でも丈くん忙しいんちゃう？」
丈一郎「いや、丁度飯食う相手探しててん」
これは嘘だ。
本来ならば実家で母親の手料理を食べるつもりだったから。
A「ほんま？私焼肉食べたい！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 167人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Aぇ!group」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
深澤りん(プロフ) - わさび醤油さん» レスありがとうございます！最後まで読みます！楽しみにしてます！ (2022年5月23日 20時) (
レス) id: 214e1122e7 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - 深澤りんさん» コメントありがとうございます！是非最後まで読んでくださると幸いです。 (2022年5月23日 20時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
深澤りん(プロフ) - 丈くん推しです。切なそうだけど結末楽しみにしてます (2022年5月23日 19時) (レス) @page42 id: 214e1122e7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わさび醤油
| 作成日時：2022年4月2日 16時
