三角関係。 ページ30
A「でな、そん時大晴くんが言ってん！"ショートも似合うんちゃう？"って！」
健「へえ」
A「そっから切るか切らんかずっと悩んどんねん！でも大晴くんの好みに合わせるのが1番やと思ってて…」
健「ほー」
A「どんなんが好きなんやろ？そもそも私の顔とかタイプちゃうよなあ…どうしよ…」
健「ふーん」
コロコロ表情を変えながら喋り続けるAが突然動きを止めた。
A「…なあ、さっきから話聞いてへんやろ」
健「聞いてる聞いてる」
A「絶対聞いてへん！」
聞いていない訳がない。
聞きたくなくたって真横で話されたら嫌でも耳に入ってくるのだから。
俺と大晴の共通の友達、A。
Aはずっと大晴に片思いをしている。
俺はそんなAのことを好きでいる。
各々の矢印がバラバラに向いている、世界一不毛な三角関係。
A「も〜…こんなん小島にしか話せへんしちゃんと聞いてや！」
健「分かった分かった」
別に俺だって大晴のことは好きだ。
だからあいつがモテるのもあいつの良さもあいつを好きなAの気持ちも否定するつもりはない。
だけど俺は知っている。
大晴の気持ちがAに向いていないことを。
"俺にすればええやん"
その一言が言えなくていつだって俺はもどかしい。
A「来週大晴くんと会う時どんな格好してけばええんやろ…毎回困んねん服装…」
本当はこんなの無駄だ。
Aがどんな服を身に纏ったって大晴の気持ちは動かない。
分かってる。
分かってるけど。
傷付くAを見たくない。
健「何でもええんちゃう？」
A「適当やな…」
健「ちゃうって！…別に何着ててもAはAやし大晴はちゃんと中身で判断する奴やから」
A「確かに…小島たまにはええこと言うなあ！」
好きな人の恋を応援する俺。
その場合、俺の恋はどうなるんだろう。
Aにとっての俺はただの相談相手。
大晴のオマケでしかないのだ。
俺がAを好きだと知ったらAはどんな顔をするんだろう。
A「あ〜今から緊張してきた！前髪切ろっかなあ…」
きっとそんな日は二度と来ない。
俺は黙ってAを見守り続けることしかできないから。
A「メイクいつもと変えた方がええかなあ？」
健「さあ？」
悩み続けるAの横顔を見ながら溜め息をついた。
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深澤りん(プロフ) - わさび醤油さん» レスありがとうございます！最後まで読みます！楽しみにしてます！ (2022年5月23日 20時) (
レス) id: 214e1122e7 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - 深澤りんさん» コメントありがとうございます！是非最後まで読んでくださると幸いです。 (2022年5月23日 20時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
深澤りん(プロフ) - 丈くん推しです。切なそうだけど結末楽しみにしてます (2022年5月23日 19時) (レス) @page42 id: 214e1122e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさび醤油
| 作成日時：2022年4月2日 16時
