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斗亜「どこがセーフなん？アウトやろ。」
拓哉「ごめん！ほんまごめん！」
彪太郎「何かあったん？」
息を切らす拓哉が額の汗を拭いた。
拓哉「久々に会う友達とギリギリまで喋ってたら電車遅延してんの気付かんかってん」
彪太郎「へ〜。高校の人？」
拓哉「うん！そやで！あ、皆も分かるやろ？A！」
その名を耳にした瞬間に胸が熱くなった。
斗亜「あ〜Aちゃんか」
彪太郎「久々聞いたわその名前」
風雅「…A大阪おるん？」
拓哉「あれ？ふうさん聞いてへん？」
拓哉が不思議そうに首を傾げる。
拓哉「今帰ってきてて、明後日には東京戻るらしい」
拓哉が知っていて俺が知らない事実。
拓哉は会ったのに俺には連絡さえきていない。
心の底から悔しかった。
負けたような気がした。
思い返せばあの時だって、拓哉に取られたくなくて無理矢理会話に割り込んだのだ。
拓哉「いやあ…楽しかったわあ」
斗亜「遅刻はあかんけどな」
俺は密かにスマホを取り出した。
すぐにでもAに連絡しようと思ったのだ。
だけどその思いはすぐに打ち消されることになる。
拓哉「他のクラスメイトとAとAの彼氏と会っててんけどさあ、もうほんまにおもろくて…」
風雅「彼氏？」
拓哉「え？うん。あれ？ふうさん知らん？A向こうで彼氏できてん！」
もっと早く自分の気持ちに向き合えばよかった。
見て見ぬふりをせず、素直になればよかった。
そうすればあの時言葉にできていただろうか。
今となっては分からない。
だけど、少なくともここまで辛い気持ちにはならなかっただろう。
風雅「…そうなんや」
俺はそっとスマホをしまった。
俺の片思いが人知れず幕を閉じた。
もうAと会うことはないだろう。
傷付く度に大人になる、と誰かが言っていた。
俺は少しでも成長できたのだろうか。
鬱陶しい。
俺の心を奪ったアイツはやっぱり鬱陶しい。
風雅「…はよデビューしたいな」
拓哉「え？」
風雅「…何でもない」
.
.
.
Fin
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深澤りん(プロフ) - わさび醤油さん» レスありがとうございます！最後まで読みます！楽しみにしてます！ (2022年5月23日 20時) (
レス) id: 214e1122e7 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - 深澤りんさん» コメントありがとうございます！是非最後まで読んでくださると幸いです。 (2022年5月23日 20時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
深澤りん(プロフ) - 丈くん推しです。切なそうだけど結末楽しみにしてます (2022年5月23日 19時) (レス) @page42 id: 214e1122e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさび醤油
| 作成日時：2022年4月2日 16時
