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A「…もうそんなん気にしてへんよ」
誠也「でもごめん」
A「ええよもう。ほら、はよ誠也くんも食べて！」
口に運んだスイーツは甘酸っぱくて爽やかで、柑橘類の香りが鼻を抜けていった。
A「あ〜全部美味しい！最高！」
幸せそうに頬を抑えるA。
俺はそれを見るだけで胸がいっぱいだった。
誠也「…今も何か悩んでるんやろ？」
A「…何で？」
二度と後悔しない為に、今度こそ俺は正面からぶつかることにした。
誠也「さっきの電話…彼氏って言う割には全然嬉しそうちゃうかったし」
A「うーん…絶対引かん？」
誠也「引くような相手なん？」
Aがまた苦笑いをした。
A「今付き合ってる人、既婚者やねん」
誠也「…はあっ！？」
驚いて声を上げた。
A「ほら、ちょっと引いたやろ？」
誠也「いや、引くとか引かんとかより…そんなんあかんやろ」
A「分かってるよ、不倫はあかんってことくらい。もう大人やし。」
開き直ったように笑うA。
A「でも離れられへんというか…」
誠也「そんなん幸せになれへんって」
A「未来がないのは分かっとんねん…でもどうしても好きやねん…」
俺が好きなAには好きな人がいる。
そしてその好きな人には奥さんがいて、家庭がある。
誠也「悪いけどどう見ても今Aが幸せとは思えへんのやけど」
A「うーん…でも幸せの形って人それぞれちゃう？」
誠也「人それぞれ…」
A「私が今納得してるんやからええやん」
誠也「…納得…」
自分の中で処理が追いつかず、まともな意見を発することができなかった。
ただただオウム返しするしかない俺を見てAはケラケラと笑った。
A「考えすぎやって誠也くん」
誠也「けど…」
A「でもほんまに良かったわ、誠也くんに会えて」
誠也「え？」
デザートを食べ終わったAがにっこりと微笑んだ。
A「仕事も頑張ってるみたいやし、元気そうやし。誠也くんが幸せそうでほんまに良かった。」
時が流れて大人になる中でAは変わってしまった。
何かがAを変えてしまった。
だけどその何かが何なのか、俺には全く検討もつかない。
そして、俺はそれを知る権利も持っていない。
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深澤りん(プロフ) - わさび醤油さん» レスありがとうございます！最後まで読みます！楽しみにしてます！ (2022年5月23日 20時) (
レス) id: 214e1122e7 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - 深澤りんさん» コメントありがとうございます！是非最後まで読んでくださると幸いです。 (2022年5月23日 20時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
深澤りん(プロフ) - 丈くん推しです。切なそうだけど結末楽しみにしてます (2022年5月23日 19時) (レス) @page42 id: 214e1122e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさび醤油
| 作成日時：2022年4月2日 16時
