好きになってしまった私 (ページ16)

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橘が走ってどっか行ってしまった。

追いかけなきゃ…なんて思って俺も荷物を抱えて橘を追っかけた。

『あいつ足速いねんって…。』

どこに行ったのかわかんなくなって公園のブランコに腰をかけた。

こういう時どうすればいいんやろ…。

橘家帰ったんかな…。

何があったんやろ。俺何も知らんねんな。

橘の友達である谷川にLINEで家を聞いてみた

(谷川は麗華ちゃんです。)

＜谷川さ、橘の家どこか知らへん？＞

＜何かあったん？＞

＜知ってんねんやろ。本当は俺が好きなんは橘やってこと。＞

＜ついに白状したか…。＞

谷川は勘が鋭いのか、俺が本当は橘が好きなことも気づいていたらしい。

「長尾ってAを見る目が優しいよな。しかもなんかAにはすごく構うよな。好きなん？」

なんて1度冗談で言われたことがあった。

＜ちゃうねん。こんなことしてる場合じゃないねんって！知ってんねんやろ？教えてや。＞

＜仕方ないなぁ。川沿いの公園あるでしょ。その真ん前の一軒家。橘って表札あるからわかると思うで。＞

＜この借りはジュース1本やからな長尾。＞

＜感謝する！＞

谷川に教えてもらった橘の家に走って向かった。