《恋》2 (ページ8)

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・Y#58 ページ8

平野さんと話をした後、私は羽野さんの元へ行き
店を辞めさせて欲しい。と申し出た。

「残念だけど、仕方ないか」

『すみません』

「ううん、こっちがお願いしたんだし」

『羽野さんっ・・・』

「気が向いたらいつでも戻ってきてね」

これでもう・・・平野さんと会わずに済む。

あとは、あの家を・・・去るだけ。

そうすれば、全部・・・終わり。

だと、思ってたのに・・・・

『おはよ「Aちゃん！」

『は、はいっ』

「お願いがあるの」

『お願い？』

「8月なんだけど、大阪一緒に行けない？」

『8月？大阪？・・・ですか？』

「そう。Aちゃん大阪詳しいでしょ？」

『それって旅行って事ですか？』

「旅行って言うか、キンプリのライブなんだけど」

『え？』

「チケット当たったの♪」

全てを断ち切ろうとすれば引き戻される。

どうして・・・

忘れさせてくれないの。

『予定確認・・・しますね』

「ふふ、ありがとう♪」

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"お疲れ様でーす"

「Aさん、申し訳ないけどこの資料お願い出来る？」

『はい、大丈夫ですよ』

「ごめんね。また残業になっちゃって」

『気にしないでください』

続々と退社していく人達の中で
残業をお願いされても嫌な気はしない。

逆に何かしていないと・・・・・頭から離れない。

20:00

「Aさんまだいたの？」

『あっ佐々木さん・・・』

「もう帰った方がいいんじゃない？」

『でも、、「どうせ香山先輩から頼まれたんでしょ？」

『まあ、、はい』

「自分でしろって話よね〜ほんと〜」

『いやいや』

「でもそれぐらいにして帰らないと雨降って来るよ」

『・・・雨』

「Aさん傘持ってる？」

『持ってません』

「なら、切り上げてさっさと帰っちゃお」

『・・・・』

嫌になっちゃうな。

また廉くんを思い出すなんて。