《恋》2 (ページ42)

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・Y#92 ページ42

抱き締められた腕が離れて
「取り敢えず荷物置いてくるわ」と
玄関先に向かう廉くんが勢いよく振り向いた。

「そや、Aちゃんも行ったらええんかっ」
『えっ私も？』

「うん、あかん？」

あかん・・・くはない。
むしろ、離れたくない気持ちの方が大きい。

『行くっ・・廉くん家』
「なら、一緒に帰ろ」

ちょっとした言葉。

微かに残る温もり。

目の前に廉くんがいる事が

こんなにも嬉しい。

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相変わらず綺麗に整頓されてる廉くんの家。

何度も来てるはずなのに久し振りな事もあって
少し緊張してしまう。

「ゆっくりしてて。すぐ戻ってくるから」
『どこ行くの？』

「洗濯機回してくる〜」
『ん、行ってらっしゃい』

さすが、廉くん。
洗濯物を後回しにしないところが凄い。

「何笑ってんの〜？」
『笑ってた？』

「うん、ニヤニヤしてたで(笑)」
『無意識だった(笑)』

「・・・よいしょっ」
『ちょ、、「そんな避けんでも(笑)」

『だって「で？何で笑ってたん？」
『・・・いや、その廉くんらしいなぁって』
「俺らしい？どこが？」
『すぐ洗濯回すところとか』
「あはは、なにそれ(笑)」
『だって、私なら後回しにしちゃうもん』
「じゃあ後回しにしたんや？」
『いや、してないけど』
「してないんかい(笑)」
『今日はしてないだけ！』
「今日は？」
『うん・・・廉くん帰ってくるし・・・と思って』
「だから、電話出られへんかってんな(笑)」
『・・・そう・・・です』

なんか・・・すっごい恥ずかしい。

この体勢もそうだし・・話の内容もそうだし。

完全に廉くんのペース。

「顔赤いで？(笑)」
『ち、近い！！』

「えーやんかー」
『やだ、化粧崩れてるから離れて〜』

「これで崩れてんの？」
『マジマジ見ないでよ(笑)』

「見たいねんもん」
『じゃあ私も見る』

「あはは、やめえ」
『自分は良くて私はダメなの？(笑)』

「うん(笑)」

悪戯っ子のような微笑み。

あぁ、廉くんだ。

夢じゃない。