《恋》2 (ページ34)

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・Y#84 ページ34

食事に行く前に春ちゃんと中西さんが
ホテルのお土産コーナーに向かったタイミングで
廉くんから電話がかかってきた。

名前を見るだけでもドキドキしてしまう。

『もしもし』

「あ、俺」

『ふふ、分かるよ』

「今大丈夫？」

『大丈夫。廉くんこそ大丈夫？』

「大丈夫やで」

『改めて・・・お疲れ様でした』

「いきなりやな(笑)」

『だって、言いたかったから』

「ん、ありがと」

『すっごく・・・楽しかった』

「ほんま？」

『うん。感動もしたし・・・廉くんがね』

「俺？俺がどした？」

『・・・かっこよくて・・・びっくり(笑)』

「そこ笑うとこか？(笑)」

『なんか、、恥ずかしくなっちゃって(笑)』

「まあー褒められて悪い気はせんけどー？」

『めちゃめちゃ褒めてますよー(笑)』

「Aちゃん」

『ん？？』

「落ち着いたらどっか行こか」

『え？』

「そやな〜どこがええやろ」

『廉くん』

「温泉とか？んーそれとも『廉くんっ』

「・・・・」

『いつでもいいよ』

「・・・・」

『それに私は廉くんとならどこでもいい』

「Aちゃん・・・」

『だから、、まずは、、無事に帰って来てね？』

「・・・・」

『待ってるから』

「ありがとう」

『こちらこそ、ありがとうだよ』

時間にして5分程度。

短い時間の中で

"落ち着いたらどっか行こか"
"そやな〜どこがええやろ"

何となくね、同じ気持ちなのかなって思ったの。

きっと廉くんも・・・不安だったんだね。

【住む世界が違う】

でも、大丈夫だよ。

私は。

廉くんがいれば何もいらないって

思ったから。

あなたがあなたでいられる場所を

守りたい。

そう感じたから。

これ以上、何も望まないよ。