・Y#64 ページ14
恥ずかしい。
正直、心臓が爆発しそうだ。
数時間前までこの世の終わりだと思ってたはずなのに
廉くんと会えただけで、こうも違う。
「んっ」
『・・・ありがと』
「ちゃんとあったまった？」
『うん』
「Aちゃん」
『な、なに？』
「・・・・色々・・・ごめんな」
『・・・私こそ・・・ごめんね』
「・・・今更・・やけど」
『・・・』
「さっきも・・・ごめんっ」
『・・・改めて・・・言われると・・・』
「順番・・・違うやろって話やんな」
『・・・それは・・・そうだけど』
ちゃんと話はしなきゃ。
『廉くん』
「ん？」
『・・・明日は？』
「仕事？あー昼から。Aちゃんは？」
『休みじゃないけど・・・休む』
「休む？なんで？」
『何でって・・・』
『話したい・・・廉くんと』
「・・・」
『遅刻するぐらいなら休む』
割と本気で言った言葉に声上げて笑う廉くん。
『笑わないでよ』
「いや、ごめん」
『・・・』
「分かった。話そう」
『・・・』
「けど、Aちゃんが遅刻せんぐらいにしとかなな」
『・・・廉くんっ』
変わらない、その笑顔。
あの頃も・・・嘘じゃない。
平野さん・・・ごめんなさい。
今やっと分かった。
廉くんは・・・廉くんなんだね。
瞳を閉じれば全身から感じる温もり。
「Aちゃん」
『・・・？？』
「・・・・好きやで」
『私も・・・廉くんの事が好き』
心と心で向き合えば
自ずと答えは見えてくる。
嘘でも夢でもない・・・真実がここに。
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作者名：ぽん | 作成日時：2022年10月25日 17時
