Story90 ページ47
No side
事は遡ること数十分前。
妃英理さんの事務所から出たコナンは、帰ろうと促す蘭達をなんとか阻止して、用事があるからと一旦その場で別れた。
夜すらも少し騒々しい生活音が響く、都会ならではの夜道を歩きながら、コナンはひとり黙々と考える。
(…どういう事なんだ?
黒の組織とは敵対している組織に身を置いているはずの安室さんが、目的も無しにわざわざ相手を罠に陥れるとは思えない。)
その上、相手は世間では名探偵として知られている毛利小五郎だ。それを行動に移したからにはそれなりのリスクと覚悟があるのだろうと、コナンは結論付ける。
(…でも、それにしたってどうしてわざわざ小五郎のおっちゃんを狙ったんだ?
しかも、今回は一応はシロの立場に近かった碧咲さんまでいる訳だし…。)
(……ダメだ、行動の規則性が全く分からねえ…)
なんにせよ、今回の安室が味方では無いのは確かだ。その場に居たからには、碧咲さんも少なからずこれに関わっていると言えるだろう。
「…はぁ〜……。」
コナンは思わず頭を抱えたくなった。
どう考えたって安室と亜月碧咲じゃ関連性がまるで見出せない。なんであの場に碧咲さんは居たんだ…
その可能性があるとすれば、たった今し方コナンがようやく考え付いた一つの説が有力だが__
(…もう、今日は帰るか?)
そう思い、ふと周りを見渡してみると、あまり見慣れない光景が目に広がる。
コナンは気が付かないうちに随分遠くまで来ていた事に気がついた。
さっさとこの場を去ろうと、コナンが来た道を返そうとしていた、その時。
「…!?」
チラリと、見えた気がした。
沢山の人混みに溺れている、金髪の頭が。
「…こんばんは、お兄さん!」
気が付けば、コナンはその人物に声を掛けていた。
『へ?』と、存外にも気が抜けた声を漏らしながらこちらを振り返るその人物の顔を見て、やっぱりな、とコナンは己の考えを確信付けた。
何を隠そう、その男との顔は、今回は敵だと判断されたばかりの、安室透の顔に瓜二つだったのだ。
・
・
…さぁて、ゆっくりとお話しようじゃねぇか。
_
553人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜雨ナナト - 無理だったとかなら全然書かなくていいです。ログインできない私はお気に入り登録することができませんが応援しています! (2020年2月3日 1時) (レス) id: 2e33344876 (このIDを非表示/違反報告)
夜雨ナナト - リクですね!降谷さんの息子として外を歩いてるところを逆ナンされてしまい せらますみちゃん に助けてもらい、けれどあまりにも降谷さんに顔が似すぎていたのでうたがわれてしまう っていうのできませんか?私の低脳すぎる脳ではこれが限界だったぁぁぁぁぁ! (2020年2月3日 1時) (レス) id: 2e33344876 (このIDを非表示/違反報告)
夜雨ナナト - めっちゃ面白いです!前作から読みました。めっちゃ面白いです!←この作品が神すぎてこれしか出てきません。すみません。 (2020年2月3日 1時) (レス) id: 2e33344876 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 更新頑張ってください! (2019年11月9日 21時) (レス) id: 57d631d047 (このIDを非表示/違反報告)
加熱されたみかん - ほんっとに作者様の作品大好きです……更新頑張ってください! (2019年10月19日 17時) (レス) id: 9c8747fe33 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:食物連鎖の頂点に立ったササミ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/1e4d26931d1/
作成日時:2019年8月14日 16時