Story6 ページ8
降谷零 side
「あれ、カラスミが切れてる…。」
「え?」
事の発端は、梓さんの何気無いその一言だった。
「確かもう一つあったのでは?」
「それが無かったんです…」
聞かれていた事に驚いていた様子の梓さんだったが、僕の質問に対して目に見えて困った様子でそう言った。
「なら、僕が買いに行ってきましょうか?」
「い、いえ!安室さんにそんな事させる訳には!」
困った表情から一転、今度は慌てだした梓さんを見てくすりと笑いながら、こう提案する。
「なら、僕と二人で買いに行きませんか?
ちょうど、ポアロも閉める時間帯ですし。
今日は車で来ているので、よろしければ送って行けますよ?」
「そ、それもそうですね…。
分かりました、それじゃあお願いします!」
そう提案すると、梓さんはおずおずと言った様子で納得した。
・
・
そうして立ち寄ったそのスーパーで強盗が起き、まさかの何故かその場に居た我が子が人質になるなんて、誰が予想しただろうか。
直ぐにでも駆け付けてAを救ってやりたくなったが、隣で震える梓さんを放って置く訳にも行かず、どっちつかずの状況に置かれていた、その時。
犬嫌いのはずのAが抱えていたハロが、同じく犬嫌いであろう強盗犯に投げ出され、
その瞬間、Aがキレた。
『ハロちゃんっ!
…お前なあ!!ハロちゃんに手出すんじゃねぇ!!』
流石はここら一帯の中学生不良グループの頭、と言ったものか。
その綺麗な容姿からは想像出来ない程の声を出し、あっという間に強盗犯を制圧した。
拍手に包まれたAだったが、その姿にコソコソとあれ不良グループのトップじゃね?と囁いている人も何人かいた。
が、問題はそこじゃない。
僕の言うことを今まで大人しく聞いていたAが、僕と初めて口論をするくらいの犬嫌いだったはずのAが。
なぜ、ハロと居るのか、だ。
病院を勧めた方がいいのかと大真面目に考えた。
なんだ?僕がいない間に家で何があった?
『有難うございます!
よし、ハロちゃん!散歩の続きだ!』
「アンッ!」
「……。」
どっちみち、この状況でカラスミを買うのは無理になった。
「すみません、梓さん。用事を思い出しました。
カラスミは僕が明日買っていくので、今日はこれで失礼します!」
「えっ、あ、はい!分かりました!」
ここは、Aを尾けてみよう。
そう思った僕は、梓さんに別れを済ませてAを尾行した。
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食物連鎖の頂点に立ったササミ(国産)(プロフ) - ユキさん» うわあ本当だ……ありがとうございます!!更新の励みになります!これからも頑張りますね!! (2019年8月29日 18時) (レス) id: 1320405534 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - すごく面白いです!更新楽しみにしてます!!それから、24話なんですけど、URLではなくて、USBかな?と思ったのですが、間違ってたらすみません。 (2019年8月26日 13時) (レス) id: 36bc1bbe51 (このIDを非表示/違反報告)
食物連鎖の頂点に立ったササミ(国産)(プロフ) - 明里香さん» いつもお世話になってます!全然細かくなんてありません!(笑)多分これからも誤字る予定なのでもっとビシバシ言ってやってください!<(_ _)> (2019年8月13日 22時) (レス) id: 1320405534 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 46話が45話になっています。 (2019年8月13日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 44話に誤字がありました。「見たいですから」ではなく、「みたいですから」です。細かくてすみません。 (2019年8月13日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:食物連鎖の頂点に立ったササミ | 作成日時:2019年7月23日 16時