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Story26 ページ28

ジン side





《ジン、"yarhuu"の存在は知っているな?
組織のハッカーが"yarhuu"を特定した。
今から言う場所で、ウォッカと共に速やかに"yarhuu"を回収しなさい。》


久々の休暇の朝の出来事だった。
無通知でメールが来たと思えば、組織のNo.2であるラムからだった。


「……チッ」


久々の休暇なのになんで俺がと思ったが、逆らった結果は目に見えている。

渋々といつもの格好に着替え、ラムから言い渡された場所に既に外で待機していたウォッカと向かった。







ウォッカに車で待機するように伝え、恐らくyarhuuがこれから通るであろう場所で待ち伏せる。

…結果から言う。

yarhuuはまだ餓鬼だった。
ラムから情報が送られてきた時、不良のトップだと聞いたのでまさかとは思っていたが、本当にただの餓鬼だった。


…いや、ただの餓鬼じゃねえな。

俺の直感がそう言っていた。

それに、この餓鬼の見た目。
俺が組織の中でも苦手なバーボンにそっくりだ。

違いと言えば、肌の色くらいしか見当たらねえ。


着いて来いと言えば、この餓鬼は粘ったものの、チャカを見せれば直ぐに黙った。素直な奴は嫌いじゃない。


少し不満げに顔を歪めるこの餓鬼を見て少し機嫌を良くしながら、俺はウォッカに電話を掛けた。

向かう先はセーフハウス。
本当に組織に相応しいかどうか、少しばかり射撃のテストをさせろとラムから追加でメールが来た。


まだ餓鬼なこいつがどんな結果を叩き出すか、口角を少し歪ませながら車内を過した。









暫く経ち、セーフハウスに着いたので早速射撃場へ向かう。

チャカを突きつければ少し初心なりの動揺を見せたものの、直ぐにそれを受け取った。

これもまた結果から言う。
百発百中だった。

移動式も固定式も、全て、だ。
本当に初心なのかすら疑った。


終了後、餓鬼にこの場で待機するように伝え、ラムに結果を報告するのと同時に次のテストの為の資料を取りに行く。


「……なんて餓鬼だ。」


そんな俺の乾いた笑いを含めた呟きは、誰の耳に届くでも無くそのまま宙に溶け込んだ。

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食物連鎖の頂点に立ったササミ(国産)(プロフ) - ユキさん» うわあ本当だ……ありがとうございます!!更新の励みになります!これからも頑張りますね!! (2019年8月29日 18時) (レス) id: 1320405534 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - すごく面白いです!更新楽しみにしてます!!それから、24話なんですけど、URLではなくて、USBかな?と思ったのですが、間違ってたらすみません。 (2019年8月26日 13時) (レス) id: 36bc1bbe51 (このIDを非表示/違反報告)
食物連鎖の頂点に立ったササミ(国産)(プロフ) - 明里香さん» いつもお世話になってます!全然細かくなんてありません!(笑)多分これからも誤字る予定なのでもっとビシバシ言ってやってください!<(_ _)> (2019年8月13日 22時) (レス) id: 1320405534 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 46話が45話になっています。 (2019年8月13日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 44話に誤字がありました。「見たいですから」ではなく、「みたいですから」です。細かくてすみません。 (2019年8月13日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:食物連鎖の頂点に立ったササミ | 作成日時:2019年7月23日 16時

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