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堂前Side
ずっと一緒にいる同期やし
実は人と喋るの苦手な性格で
まあ、とにかく
油断はしていた
「冷たいんやなくて心開いてるんです〜」
「心開いてくれてるん？ほんならいっか」
別に普段が暗いわけじゃない
常に笑顔で誰にも優しくて怒ることなんて絶対にない
優しさのあまりに後輩に対しても全員にくん付け
同性にはちゃん付け
同期でもあんま仲良くなりきれてない奴にも“◯◯くん”
距離を詰めるのに時間がかかる人やから
俺のことを苗字の呼び捨ては仲の良い証拠やと
勝手に浮かれていた
そして俺が一番Aと仲良いって思ってた
あ、フジの次くらいには仲良いって思ってた
「そういえば火傷もう大丈夫なん？」
「え！いつの話！？もうとっくに治ってるんやけど」
うん、知ってたけど
治ってるのは知ってたけど
俺の発言のせいで火傷したのも知ってたけど
でもまさかその後に本人登場すると思わんやん
「ほら見て？綺麗に治ってるやろ？」
「…ああ、ほんまやね」
小さい手、ほんま赤ちゃんみたいな手してる
もしぎゅって繋いだらどんな顔するんやろ
「そういやAって永見とあんな仲良かったっけ？」
「！？」
……あ、そういう顔するんや
ちゃんと女の子らしい顔してる
「な、なんでそう思ったん？」
焦った顔、上擦った声
ほんで
“否定はせえへんねんや、”
「火傷心配してくれて声かけてくれただけやで」
「てか逆にあんな派手にお湯溢して
誰にも何も言われへんかったらショックやねんけど」
焦ると早口で喋る言葉が増えるのは相変わらずで
こんなに長いこと一緒にいるだけあって
俺にとって嬉しいこともあれば
俺にとって嫌なこともあるって気付いてしまうようになった
そんな時ふと現れたフジ
「なあこれ見て永見が書いたんやけど」
「え」
紙を持って手を振ってるフジの言葉と
Aの表情で俺の予想は核心へと変わる
なあ、いつから？どこらへんが？
何をきっかけに？
聞きたいことは山ほどあるのに
「じゃあ俺用事あるし」
「あ！そうなん！じゃあまたね！」
同期という立ち位置で守ってきた
ずっと大切にしていたAの隣
勝手に俺が隣にいただけやし
向こうは全然気付いてないんやろうけど
俺が一生懸命築き上げてきた厚い厚い鉄壁
虚しく崩れ去った音が聞こえた
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るうみ(プロフ) - 名無しさん» わあほんとですかありがとうございます😢💓はい！楽しみにしていただけると嬉しいです🥰🥰 (7月27日 10時) (
レス) id: 85c052b4e6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - るうみさんのお話が好きです。続き楽しみにしてます！ (7月27日 0時) (レス) @page19 id: a33a5da6cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るうみ
| 作成日時：2023年7月23日 0時
