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゛キス マーク 消す方法 ゛
お昼休み、買ってきたお茶のパックを飲みながら検索したワードにまたため息が零れる。
おびただしい程の着信に応えたのはついさっき。
ワンコールで飛びつくように応答されたそれ、
残業しててそのまま寝てた。
苦し紛れに絞り出した言い訳に彼はやたらと納得していた。
『だぁー.........もう』
「お疲れー」
『!!!!?と、登坂さん』
「お茶だけ?やばくない?」
『食欲、なくて....』
「夏バテ?」
『そうなんですかねぇ』
パリッとしたシャツから香る甘い香りにノックダウンされる女の子は数多。
数ヶ月前のバレンタインでは、登坂さんに....登坂さんに.....登坂さんに.....と他の課の女の子にいくつもチョコを押し付けられた。
「なんかあった」
『ないですよ』
「うっそだぁ、」
『ないですって!』
「そー?」
向かいの、ひとつズレた、席に座った登坂さんはしたのコンビニで買ってきたであろうサンドイッチを頬張る
いつ見ても整ったその顔はあまり動かない。
「なに?やっぱ食いたいの?」
『!?..えっ、いやそういうわけじゃ!』
「そんな見られると食べずらい」
『すみません、見ないようにします』
「それはそれでやだなぁ」
『え、えぇぇ...』
「困ってんの」
含んだように笑う登坂さんの向うのすりガラス、
ぼやけて見える廊下を金髪の頭が通り過ぎた、
_____ けいじさん、わたし、どうしたらいいの
痛いくらいに、あなたのこと。
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作者名:バニ | 作成日時:2018年8月11日 16時