16*〈12/19〉 ページ21
指先に感じた冷たさの意味も、それを濁すように甘い声で"止めないで？"と言った意味も、全部ひとつに繋がった状況で、ふつふつと湧き上がる怒りが爆発しそうになった時、
松本さんの親指がいつもみたいに私の頬を撫でる。
潤『もうおしまい？』
それはもう、見事なまでに麗しく切ない視線を私に向けて、
潤『お願い。
そんな残酷なことしないで？』
泣きそうな顔で苦しさを吐き出す。
潤『Aちゃんだよ？
オレの事、狂わせたの』
切なさの中で頬を軽く膨らませて、
潤『Aちゃんが仕事中にオレの目の前で他のオトコに感じちゃうからなのに。
なのにオレ、こんな残酷な状態でうちに帰らされんの？』
下唇を尖らせてる松本さんが、その疼きと火照りを収められる筈がない事は紛れもない事実で。
「もう！こんなに甘やかすの、今日だけですからね！？」
自分自身、何を許したのかもわからないまま松本さんに口づけると、
潤『Aちゃん、今日だけ撮らせて？』
甘く響くおねだりに、ああ、それも許しちゃったのかと自分自身に呆れてしまう。
「絶対に次は無いですからね」
強く念押しすると、
潤『あなた、ホント、オレのおねだりに弱いよね(笑)』
だなんて本音を覗かせる。
.
.
.
わかってたよ？
確信犯だって。
最初から私が断れない目と声でねだってるって。
緻密に、それでいて単純に。
敷かれたレールを走らされてるだけだって。
シナリオ通りに躍らされてるだけだって。
.
「仕方ないじゃないですか。
仕組まれてるってわかってても、応えちゃうんだもん。
好きだから、求められると与えたくなるんだもん。
・・・本当に私が、死ぬほど嫌がるようなことは求めないって知ってるから。」
胸の奥がツンとして、ほろりと涙が零れた。
「だって好きなんだもん・・・」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 279人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さいか(彩)(プロフ) - 奈穂さん» 低い位置の帯ってなんかあれよね、足が短く見えそうなもんだけどものごっつ色っぽいのよねー☆ 胸元わかんないよー？あのこガード堅いからｗｗｗｗ (2017年4月27日 0時) (
レス) id: e8327fc405 (このIDを非表示/違反報告)
奈穂(プロフ) - 私のだから〜(・∀・)♪ひゃ〜最高 いいでしょ！私の旦那様〜最高だな嫁ポジ 胸元とかちょっと低い帯の位置とか･･･チラチラ見ちゃいながら･･･(″ﾉдﾉ）楽しいね〜浴衣deデート (2017年4月26日 21時) (レス) id: 9a0f7c39bf (このIDを非表示/違反報告)
さいか(彩)(プロフ) - 奈穂さん» うふ、ありがとうオリゴ糖←(何へのお礼？) ニヤニヤしちゃうよね、専務ってばｗ (2017年4月6日 0時) (レス) id: e8327fc405 (このIDを非表示/違反報告)
奈穂(プロフ) - |ω・*)お誕生日おめでとう｡・:＋°久々だからニヤニヤが止まらない｡・:＋° (2017年4月5日 8時) (レス) id: 9a0f7c39bf (このIDを非表示/違反報告)
さいか(彩)(プロフ) - 奈穂さん» 我慢できないのに重い枷をつけて自分で苦しむんだから、案外ドMよねｗｗ 燃え尽きて灰にならないでね！ってなってるｗｗ 奈穂ちゃんいつもありがとう(はーと) (2017年2月6日 20時) (レス) id: e8327fc405 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さいか(彩)
| 作成日時：2016年10月14日 15時
