【J.M】Noriu gauti【8】

301*忘れもの ページ21

松本さんは真っ直ぐに私を見据える。



潤『とりあえず続けて？』


「はい。

[恋人同士]って名乗る意味を聞きました。

"もし松本くんが、自分に言い寄る女の子に、'彼女じゃないけどキスしたりする相手が好きだから応えられない'って説明して、相手に神ちゃんのコト、本気じゃないって思われて納得して貰えなかったらどうする？"って言われて。

"別に結婚じゃないんだから、付き合ってみれば？"って。

"合わなきゃ別れればいいだけでしょ？そんな考え過ぎる必要無いんじゃない？"って」


潤『なんかそういう理由で向き合おうと思ってくれたんだとしたら、嫌っつーか何つーか・・・ヘコむ』



松本さんは目を伏せる。



「違います。

私が煮え切らないから、だからチュウさんは私に発破をかけただけで・・・

[好き=お付き合いじゃない]っていう私に、ちゃんと付き合えって言ってくれただけです。

だって・・・私、相談した時に松本さんの名前は出してなかったのに、

"でも、キス出来ちゃうって・・・松本くんなら今までの人とは違うって、神ちゃんが一番わかってんじゃないの？"って言われたから、スゴく恥ずかしかったんですよ？

私、そんなわかりやすかったのかなって・・・(苦笑)」



松本さんが苦笑いを浮かべながら、



潤『普通にわかるよね？

チュウくんはAちゃんの事をよく知ってるから。

他にご飯に頻繁に行ったりしてるオトコ、いた？(苦笑)』



あ・・・



「ごめんなさい」



松本さんはにっこり笑う。



潤『すっげー甘えてくんなきゃ許せないかも』



松本さんの指が私の唇を撫でる。



.



松本さんの唇に自分のそれを重ねると、



潤『連れて帰りたくなる(笑)』



ふふって笑ってぎゅっと抱きしめられる。



「お休みがいっぱい合えばいいのにな・・・」


潤『あ、忘れてた』



《301*忘れもの》

302*オオミソカ→←300*視線

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す