【J.M】Noriu gauti【8】

292*本音 ページ12

私だって傷付いたもん！



潤『本気で言ってる？』


「当たり前です。

お仕置きですよ！いつも私ばっかり、お仕置きされてるんですから、たまには松本さんもお仕置きされて下さい！」



冷たくあしらってベッドに潜り込むと、松本さんがベッドの端に腰掛ける。



潤『ゴメン、度が過ぎた』



泣くな、泣くな。



必死で自分に言い聞かせる。



いくら自分が恋愛に無頓着だった時期からそんなに経過してないとは言っても、昔の彼氏の写真を残していたのは落ち度な訳で。



それが引き金となって、今、私は松本さんと喧嘩のようなものをしてる。



松本さんが私の頭を優しく撫でる。



潤『ゴメン。

でも、嫉妬されてるのはさ・・・正直嬉しかった。

あんま出さないでしょ？そこまで激しい感情は』



あまりにも不謹慎な表現だなぁ・・・



潤『オレのね、過去が嫌な思いさせてるのは・・・

[今の自分が将来の自分を苦しめる]って、紫織さんの言葉はすげぇ痛感してるの。

でもAちゃん、オレを気遣ってくれてるのはわかるけど、良くも悪くも物わかり良過ぎて少し不安だったりもしたの。

ヒドい試し方だけど・・・本音が聞けて良かった』



何度も何度も、布団の上から私の頭を撫でる松本さんの手。



私からその手を掴まなきゃってわかってるけど、素直になれない。



潤『ねぇ、機嫌直してよ』



返事を返さずにいると、



潤『オレ、相手にされないの、五分が限界だから』


「嫌です」


潤『相手、してよ(苦笑)。

せっかく一緒に居るのに・・・』


「嫌です。

今日の松本さんは嫌い」


潤『ヘコむんだよ？その一言』


「ヘコんでて下さい！

私は元カレに良い思い出なんかないのに、松本さんはヒトちゃんと今も仲良く話せるじゃないですか」



みっともないのはわかってる。



だから、みっともないついでに、本音をぶつける。



《292*本音》

293*信用の度合い【Another side】→←291*嫉妬

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す