86.you ページ37
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その声にパッとこっちを向いた
ジミンと目が合った。
これだけ騒がしい会場で
なんの音も聞こえなくなるような感覚。
ジミンの驚いた顔、
そしてふにゃりと笑って手を振った。
ジミンだ…
もうそれだけで心はいっぱいいっぱいだった。
何を叫ぶこともできず
ただただ眉を下げた笑顔で手を振る彼を
見つめ続けるしか出来なかった。
ほんの数十秒、
それだけで一緒に過ごした時間と
あの時の気持ちがぶわっと蘇って
気づけばたくさんの涙が頬を伝っていた。
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規制退場が終わり観客がいなくなった会場で
ライブの余韻に浸る3人の横
私は先程のジミンを思い出す。
元気そうだった。
楽しそうだった。
よかった…
そう思うのに
私の頭を占めるのは
会いたい…
触れたい…
そんな気持ちばっかりで
ジミンとさよならした日から
私は何も変わっていないんだなって実感する。
たくさんのファンに振っていたあの手が
私を抱きしめてくれてたのに
あの笑顔でたくさん笑いかけてくれていたのに
そう思えば思うほど涙が止まらなかった。
そんな私を黙って抱きしめてくれるお姉さんたち。
「ふぅ…泣きすぎですね、私。笑
切り替えないと!」
スタッフさんが呼びに来てるのが見えて
慌てて涙を拭った。
始まる前に案内された小部屋に戻ると
プレゼントです、とDVDを渡された。
…こ、この中にあの映像が…汗
さき『あとでホテルで鑑賞会しようね!』
『恥ずかしすぎて見れない…』
かな『どんな仕上がりになってるのか気になる!』
ゆき『その前にとりあえず飲みに出よう!』
さき『予約してるから行こうか!
お手洗い行ってから出てもいい?』
『あ!さきさん私も行きます!』
スタッフさんにここから行ける
お手洗いの場所を聞き、
たくさんのスタッフで溢れかえる通路を
はんぱない場違い感に俯きながらそこを通り
小部屋に戻る途中でパシッと腕を掴まれた。
『…え?』
TH「Aだよね?」
『テヒョンくん……』
さき『わぁテテ!久しぶり!
今日良かったよ〜!お疲れ様!』
TH『ヌナ、ひさしぶり!なんでここにいるの?』
さき『企画に参加したから招待してくれたんだよ〜』
TH『そうだったんだ、知らなかった。
……ねぇ、Aちょっといい?』
『えっ、でも』
さき『先に部屋戻って待ってるね!』
『あ、さきさん!!』
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みー - このお話大好きなので、更新されて嬉しいです(^^)続きも楽しみにしてます!! (2019年12月26日 23時) (レス) id: ddf314a032 (このIDを非表示/違反報告)
seawindyoongi(プロフ) - 続きが気になります。 2人の恋が実って欲しいで。 (2019年10月25日 13時) (レス) id: 036b7a305c (このIDを非表示/違反報告)
az★ - グクペンですがジミンペンになりそうなくらいこのお話のジミンちゃん可愛すぎますーー(^ ^)笑 更新楽しみにしています! (2019年10月21日 16時) (レス) id: 4b0096ca12 (このIDを非表示/違反報告)
カフェ猫 - 続きがめちゃくちゃ気になる…このお話大好きです!!2人の恋が実ってほしな〜更新楽しみにつてます!! (2019年10月21日 13時) (レス) id: baaac411fe (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - 初めまして!大好きです!ジミンちゃんと私の恋うまくいけーと思いながら見てます!(笑)また更新楽しみにしてます! (2019年10月21日 13時) (レス) id: 6b5361ae0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ツバキ | 作成日時:2019年9月4日 7時