今世は前世より…… (ページ10)

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～過去捌(分かち合い)～ページ10

最終選別が終わり、
隊服が支給された。
玉鋼も選んだ。

私は適当にこれでいいかと決めたが、
みんなは真剣に悩んでいるようだった。

そして帰ろうとした時

「ちょっと待ってくれないか？」

と狐の面の少年。

『はい、なんですか？』

ちょっと照れくさそうに、
「途中まで一緒に行かないか」
と
私にとっては命の恩人だし、
かっこいいし()
一緒に帰っても大丈夫だよね。

『うん、いいよ』
と微笑んだ

ふと思った。
あの男の子はどうしたのだろうと、

『あの男の子はどうしたの？』

と聞くと
ちょっと悲しそうに

「最終選別中に怪我を負ってしまってな…それで、気絶してしまって…だから、医者に見てもらっているんだ…」

それはお気の毒に…
可哀想……
もし、後遺症でも残ったら大変だ……
ただの気絶かと思う者もいるかと思うが、
私にとっては、すごい怖い…
大切な人がぽっくり死んでしまうようなそんな気がするから…

『じゃあ、その子のお見舞いに行ってから行かない？その方がその子も喜んでくれると思う』

そう言うと狐の面の少年は
嬉しそうに頷いた

「あぁ！そうだな｡」

あぁ…この人の笑みは優しくて好きだ…
そう思いながら、
歩き出した。

『ねぇねぇ、君って名前なんて言うの？』

と質問してみた。

「俺は錆兎だ。そして今医者に見てもらってるのが義勇。お前はなんて言うんだ？」

『私はA、よろしく』
と言った後ニッコリ微笑んだ。

「そうか、Aって言うんだな。よろしくな」

そういや、少し思ったけど、
錆兎ってなんで狐の面がなくなってるんだろう。
わかんないや、
割れちゃったのかな…そうだったら可哀想に…

義勇君のいる所まで来て
「義勇、大丈夫か…？」

と心配そうに錆兎が言った

「うん、大丈夫だよ」

義勇君は満面の笑みで言った
すごい可愛い…