〜過去 陸(最終選別)〜 ページ8
それから一年…
ずっと無気力になってしまった。
時々泣いては、いきなり笑っての毎日。
ある日、雀(舞冬の)から聞かれた。
明日の最終選別に行かないかと。
もうどうでも良くなった私はそれを承諾した。
翌日になり今日は最終選別の日だ。
ササッと準備を済まし、もう行けるという状態になった。後一時間程か、素振りをしてようと思い木刀を握った。
そしてブンブンッと木刀を振った。
この感覚は久しぶりだ……
懐かしい…
そう思いながらやっているともう一時間経っており、急いで屋敷を飛び出し、
最終選別会場へ向かった。
一応間に合った様だ。
『はぁ…はぁ……』
疲れた…
「…大丈夫か？」
と狐の面を被った少年に話しかけられた。
『あ、うん…大丈夫だよ』
と言った。
何となく、居心地良い…
そう言えば師範が亡くなられてから誰とも接してこなかったな…隠しの方が偶に顔を出して、
料理を作って貰ってたくらいだもんなぁ……
「…本当に大丈夫か？なにか悩んでいるなら、最終選別後に聞くぞ…？」
と狐の面を被った少年に言われてしまった。
そんなに顔に出てたのであろうか……
「錆兎？何してるの？」
と可愛い男の子が後ろからひょこっと顔を出した。
その男の子は不思議そうな顔をしている
「あぁ…義勇、ちょっとな、」
と言い可愛い男の子…義勇と言う少年と一緒に藤襲山へと入っていった。
私も向かおうとした時
懐かしい声が聞こえた気がした。
「Aなら絶対に大丈夫だからね」
と。
『これからは挫けずに頑張ります…！師範…！』
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作者名：*結梨 26* | 作成日時：2020年10月31日 12時
