今世は前世より…… (ページ6)

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～過去肆(別れ)～ページ6

そして、常中をしながら鍛練をする様になったら、かなり体力が多くなった。
そして、威力も上がった。

ここまでで、六年経過していた。
時間はあっという間だ。

「A、最終選別に行かないの？」

と言われた。私は、十一歳で行くと決めていた。
だから声をかけてくれたのだろう。

『明日行こうと思います。』
と笑顔で言った。
師範は心配そうにしていたが、
安心したのだろう。
静かに、コクリと頷き微笑み返してくれた。

その笑みを見て私は、
絶対に生き残るんだと心に誓った。

最終選別当日

案外緊張するものなのだな…と思った。
そういや、今日は朝から師範がいないなぁ…
任務かなぁ…ちょっと悲しい……
と思いながら、一人廊下を歩いた。
朝だからチュンチュンと雀が鳴いている。

『可愛い、』と言いながらふふっと笑った

そういえば、師範の鎹鴉って雀だったよなぁ…
……もしかして…何を思ってるんだ……そんな訳ない…と思う……

でも心配だ……

そう思ってた時頭上から鴉が降りてきた
「A！！ツイテコイ！！舞冬ガ危ナイ！！」

それを聞いて＂死＂が頭をよぎった。

いや、そんな事はない…！

『鴉！師範はどっちの方向！！』
と今世初めて叫んだ。
早く教えて欲しく、
つい声が大きくなってしまった。
でも、無意識だ。わざとでは無い。

「南南東～！！南南東～！！」

そっちに向かって全力で走った。

師範の生存を祈りながら……
師範がいるはずの森の中…

『師範！！いますかー？！』

と何度も叫んだ。返事は一向にない。

そして、師範と叫ぼうとした時師範が上弦の壱と戦っている現場を目撃してしまった。
師範は片目を失い、羽織には血が滲んでおり、痛々しい姿の師範があった。

『師範！！』
と叫んだ時師範は
「A…！？逃げて…！！
貴方は死んで欲しくない…！！
だから、逃げなさい…！！」
驚き、でも直ぐに逃げろと言った。

私は逃げる気など微塵もない。
師範をこんなにした此奴が憎い。
此奴を倒すまでここに居たい。
そう思ったが、鬼が先手を打っていた様だ。
その場で気絶してしまっていたそう。

気絶し起きるのに二ヶ月経っていたそう、

隠しに「A様…大丈夫ですか…？」

と心配された。
心配しなくてもいいのに……それよりも

『師範は？！師範はどうなったの？！』

と隠しに言うと隠しは口ごもった。

それが私にとっては焦れったくて、ついきつく
『早く言ってよ！！』
と言ってしまった。