今世は前世より…… (ページ3)

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～過去弐(今世)～ページ3

そして瞼を開くと、

赤ん坊になっている
そして、横から
「なんで…なんでこんな子を産んでしまったのだろう…！！」

そう私の今世の母(多分)が頭を抱えながら言っていた
赤ん坊ながらに、どうしたら喜ぶだろうと考えていた。
でも、まだ泣くことしかできない私は、泣き母親に「うるさい！」「泣くな！」と言われていた。

そう言われる度に心が傷つきさらに泣いてしまう。

二歳になったと同時に母親は私に暴力、暴言を浴びせてきた。
お母さんが優しくなるのは、知らない男の人が来た時だけいつもは呼び捨てで呼んでるのにその人達が来た時のみ

「Aちゃん、今日は何食べよっか？」
「どこに遊びに行く？」

など良い母親になる。
だが、その人達が帰った瞬間いつもべチンッと音が響く。そして、なんで母親の言う事聞けないのか、と言われる。
悪い時には見えない所を何度も何度も殴られる。
そうされる度に五歳になったら出て行こうとずっと思っていた。

そして五歳になった時
母親が居なくなったのを見計らって家を飛び出した。

ただ全力で、全力で…走った。

道の途中で、もふと思った。
どこに行こう…と
風の噂で聞いたが、藤襲山という山があり、そこには人を襲う鬼がいるみたいだ。
そしてそこで生き残ると、鬼殺隊という組織に入る事ができるらしい。

だが今は五歳だ。
流石に誰かに止められるだろう。
十一歳なら行けるだろうか…なら残り六年…どうしようか……
そう、思いながら走っていた時
ドンッと何かにぶつかった

『痛った…』
「あ、ごめんね…！大丈夫？！怪我してない？！」
ぶつかった人の顔はよく見えないが、優しい人だと言うことはわかった。

つい言ってしまった

助けて…

そう言われたこの人はどう思うのだろうか…迷惑だと思うのだろうか…この不思議な服を来た人は……

「いいよ」

そう聞こえた気がする。

「私があなたを助ける。だから、

そんなに辛そうな顔をするのはやめよう？

幸せが逃げてしまうよ。」

そう優しい微笑みをかけてくれた。

その微笑みで
自分は安心した

だからか、

そのまま泣き喚いてしまった。

泣き喚くのは前世以来だな……