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不穏な影 ページ12

眩い朝日の日差しでレフは目を覚ました。

モゾモゾと辺りを見渡すが、昨夜居た友の姿は無くレフただ一人取り残されていた。



『成程…これが朝チュン…』



全くの別物である。
朝チュンは、性的な事後の後使われる言葉であり置いてけぼりにされたからと言って朝チュンとは呼ばない。


朝で頭の働かないレフはぼんやりとホテルの開放的な窓から見える景色を見た。



そういえば…と首を傾げる。



『太宰君のこと…何も言われなかった』



珍しい事もあるものだ、とレフは背伸びを一つした。




希望に輝く朝が来た。




◇◆◇





未だ朝方とあってか人通りの少ない街をレフは歩いていた。


『そういえば…家を探していたんだったね』


昨夜はフョードルが現れ、家を購入しょうとしていた事などすっかり忘れていた。
思い出したのならば直ぐに行動に移そうと軽い足取りで彼は不動産屋へ脚を急がせる。



『やあ、お早うお嬢さん』


開店直後に現れた美丈夫に受付をしていた女性は頬を赤らめた。

「い、いらっしゃいませ!!」

柔らかく微笑むレフに思わず声が上擦ってしまい、女性は泣きそうになった。

ーーー嗚呼、折角のイケメンが来たのに…!



『ヨコハマの中心街に近い物件を探してるんだ。お願いで来るかな?』


「え、っと…予算はどの位を希望されているのでしょうか?」


『幾らでも構わないよ。まあ、残念ながら独り身だから広過ぎない部屋がいいな』


「独り身…!?」


目の前の優しげな美丈夫が独り身という事が信じられない従業員は驚きに目を開く。



『出会いがなくてね。それで、良さげな家はあるかい?』


この反応は慣れている。レフは困ったように微笑んだ。





◇◆◇





『こんなに遅くなってしまうとは…』



レフが物件を決めた頃に辺りは夕焼け色に染っていた。
拘りはめっぽう強いレフは色んな物件を見回り従業員が疲れ果てた後に自身のお眼鏡にかなう物件を見つけた。



周りの立地もレフにとっては最高だった。

噂の探偵社も近くにある事だし、もしかしたら太宰君や彼の同僚に会えるかもしれないなとうっそりと微笑んだ。


『…ん?之は…』



路地裏へ繋がる道の近くに赤い水溜まりが見え、レフは足を止める。



『…血か?』


思わず眉を顰め、駆け足で路地裏へ向かう。









ーーーそれが、友との境界線を引く【何か】に大きく足を踏み入れてしまう行為になるとは彼は、全く思いもしていなかった。

仮面の暗殺者→←友に捧ぐ一時の安らぎ



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なはて(プロフ) - ものすごい面白かったです!作者様の気が向いたらでも良いので、続きを書いてくれたら嬉しいです! (2022年4月25日 7時) (レス) @page22 id: 72c776ebcc (このIDを非表示/違反報告)
天人鳥(プロフ) - すんごい続きが気になります…。更新お願いします! (2022年3月28日 19時) (レス) id: d581acac34 (このIDを非表示/違反報告)
塩じゃけ(プロフ) - この作品完結してしまったのでしょうか…?続きが気になります! (2021年5月1日 12時) (レス) id: 5986ae6a0e (このIDを非表示/違反報告)
二酸化酸素(プロフ) - わたくしさん» それなです〜ほんと色とかもつけて欲しいです。絶対上手い (2021年3月27日 23時) (レス) id: f6be19e74d (このIDを非表示/違反報告)
わたくし - 絶対デジタルで絵描いたら上手いですよ! (2021年2月7日 1時) (レス) id: 6ee51eba6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユウリ | 作成日時:2019年7月16日 23時

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