【東方×鬼滅の刃】

半霊 ページ38

妖夢視点

炭「…抱き締めやすいって妖夢の隣に浮いてる物くらいの大きさか？」

善「あぁそのくらいだよ。」

　私は最初炭治郎が何を言ったかわからなかった。

炭「これ、どうやって浮いてるんだろう。」

善「…まさか俺、これ抱いて寝てた？」

　ヤバイと思ったら遅かった。
　二人が私の半霊を不思議そうに見つめていた。
　なんて私はバカなんだろう。
　焦りすぎて見えないようにするのを忘れていた。

炭「なぁ妖夢、これのことなんか知らないか？」

　私の半分なので知ってますよ！

「わ、私は何も知りませんよ…。」

善「……妖夢ちゃん嘘吐いてない？…炭治郎、嘘の匂いしてないか？」

炭「すまん善逸。匂いを嗅ぐのは『セクハラ』みたいでな、ちょっとできないんだ。」

善「(セクハラ？)そ、そうなのか。…で、妖夢ちゃんなんで嘘吐いたの？」

「う、嘘じゃありません！う、嘘という証拠はあ、あるんですか！？」

善「俺耳がよくてさ、人の鼓動の音で心情を知ることができるんだ。」

「う、嘘…でしょ………。」

　善逸の『耳がよい』という言葉に私はとても驚いた。
　炭治郎は鼻がよくて善逸は耳がいいのか……。
　もはやこの二人に嘘は通じない。
　………最悪だ。

「…………」

　私はそっと半霊を見えないようにした。
　二人はとても驚いたが私が見えなくしたとは思ってないようだった。

善「………え？」

炭「…消えた…な………。」

　私は二人に気づかれずに済んだことに安心した。
　しかし私はこの行動を少し後悔することになる。

善「……ギィィィヤァァーーーー！！！え、なに！？俺お化け見たの！？死期が近いってこと！？イィィィヤァァァァ！！！死にたくない！！俺まだ死にたくないよぉぉぉ！！！」

　善逸が騒ぎ出したのだ。

炭「落ち着け善逸！多分、大丈夫だ！！」

「炭治郎の言う通り大丈夫だから！落ち着いて！！」

　「じゃないと親分が起きちゃう！」と私が言おうとしたとき、「…うるせぇ！俺の睡眠を邪魔する奴はどいつだ！？」親分が起きた。

善「俺死ぬの！？怖い！怖いよぉぉぉーーー！！！誰か助けてぇぇぇーーー！！！」

伊「お前か紋逸！！」

　親分が善逸を殴ろうとしたところに炭治郎が「落ち着け二人とも！騒いだら迷惑だろ！？」と言った。
　それでも騒いでいる二人を炭治郎は手刀で静かにさせた。
　炭治郎は疲れた顔で私を見ると「…寝ようか。」と言った。
　私は頷くとこっそり半霊と布団に潜った。
　……寝づらい。
　ベッドに慣れてないからかなんか緊張する。
　昨日はどうやって寝たんだっけ…
　まぁいいや。
　

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