隣の芝が【kn】 ページ41
親友の恋を応援できたらどれだけ良かったことか
「応援してるよ」
何の気無しにそう言った一言に苦しめられるなんて、半年前の私は露程も知らなかっただろう
親友は内気な、少女漫画の主人公のような子だった。いつも一緒にいて、誰よりも彼女を支えてきたという自信はある。だから今回も恋を患う彼女に幸せになってもらいたかった
はずだったんだけど
「ね、サッカーの試合っていつ？この子がコネシマのユニフォーム姿見たいって！」
「ちょ、Aやめてよ…」
彼女の想い人と日頃から少しずつ話をしに行って仲を縮める。親友は頰を染めて狼狽えていた
コネシマは誰が見ても顔が良く、無愛想なところは難点だとしても、モテるのは至極当然のことだった
「…は？来るんか？」
嫌そうな声色の割にソワソワしている。親友に脈ありかと手応えを感じてもう一押ししてみると、コネシマは来週の日曜日だと告げて教室を出て行った
「やった…！ありがとうA」
見返りは求めない。求めてはいけないのは分かってる。でも時に少女らしい、気軽に助けてくれる人がいるあの子が羨ましかった
「…んーん、頑張ろうね」
それから放課後は日曜日に来て行く服を選んでやり、メイクも一緒に練習した
当日、最前列の席を勝ち取って試合を観ていると、同点でコネシマがシュートを決めようとしていた
教室での会話とは違う真剣な表情に喉を鳴らす。いつもと違う彼に惹かれそうになっていた
キーパーとの一騎打ちに迫った
「頑張って…！」
小さな声で応援する親友のことを考えずに大きな声で叫んでしまう
「っ、コ、コネシマ！！！」
グラウンドからパチリと目があって、初めて笑ってくれた
瞬間、ゴールが決まる。周りの声援が地響きのように湧き上がった
「っ！」
彼女じゃなくて私を見てくれた
どうしよう。これじゃあ世間で言う泥棒猫になるのではないか？そんな焦りが脳内によぎるが、顔の熱は治らない
彼に恋をしてはいけないのに
「コネシマ君さっき笑ってたね」
顔を真っ赤にして嬉しそうにしている親友を見て、のうのうと恋をする彼女を腹の底から羨んでしまう
隣の芝は青いというが、友達のになりうる筈だった芝はバケツいっぱいの青色の塗料をぶちまけた位、緑すら見えない位ドロドロと真っ青で。取り返しのつかない位真っ青だ
とうとう私の目にはそう映ってしまった
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逆転の人(プロフ) - ここのつちゃんさん» すみません1番初めの話から見落としていました。本当にすみません。長々とレスもしてしまって本当に申し訳ありません。死ぬ気で直します。もう本当にすみません。 (2022年8月19日 5時) (
レス) id: 97fd8434b7 (このIDを非表示/違反報告)
逆転の人(プロフ) - ここのつちゃんさん» 最近は書かないようにしていましたが、どうしても無意識のうちに書いてしまうことも多く、見直してもよく見落としてしまっています。お恥ずかしい部分をお見せしてごめんなさい…直ぐに訂正します。ご報告ありがとうございました。非常に助かりました。 (2022年8月19日 4時) (レス) id: 97fd8434b7 (このIDを非表示/違反報告)
逆転の人(プロフ) - ここのつちゃんさん» いつもありがとうございます。その名前は私がよく小説に使っている自分の中の夢主像の名前で、小説を書くときも下書きの段階からその名前で仮で書いています。そのままここに載せてしまってそのままになっていたんだと思います。申し訳ありません… (2022年8月19日 4時) (レス) id: 97fd8434b7 (このIDを非表示/違反報告)
ここのつちゃん(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいております。ところでいくつかの物語に出てくる「こるて」という名前は何でしょうか。 (2022年8月19日 4時) (レス) id: c790a783a7 (このIDを非表示/違反報告)
774号（現在稼働中）(プロフ) - 逆転の人さん» マジで私達読者にとって最高のサプライズですよ……何回私の涙腺を崩壊させるおつもりですか!?本当に本当にありがとうございますぅうう (2022年6月19日 19時) (レス) id: e50bf9dc91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：逆転の人 | 作成日時：2021年6月1日 0時
