第三十五夜 ページ38
100年
確かにそう言ったが、男はどう見ても四、五十の中年にしか見えない
「どういうことや」
Aを背中に隠し、男に問いただす
「我々はここに新たな帝国を作るのだよ。どの国にも畏怖され、誰からも崇拝されるような帝国を」
「それとAに何の関係があるんや、Aをどうするつもりや」
「君は知らなくていいことだ」
男は鼻で笑ってショットガンを構えた
ダァンと銃弾がゾムの頬を掠め、血が流れる
「その娘を差し出せばここから逃してやろう」
銃のリロードをする隙を見てゾムは男の間合いを詰め、胸元をナイフで一突きして距離を置く
「！？」
確かに手応えはあったはず
何故か男から血が流れない、それどころか空いた傷穴が塞がっていくではないか
化け物じみた男の能力がゾムには信じられなかった
「小賢しい」
男はゾムの足に弾丸を放った
「っあ"…！」
「ゾムさん？！」
ゾムはその場に崩れ落ちる
男はゾムの髪を乱暴に掴み眉間に銃を置いた
「待って、やめて、お願いだから」
みるみるうちに青ざめていくA
ゾムは全てを諦めた顔をし抵抗する素振りはなかった
それが滑稽に思えたのか男は笑う
男が引き金に手を掛ける
「………」
ゾムは黙ったまま男を見つめている
「やめて！！」
Aが懇願するが男は気にも留めない
「ああ残念、非常に残念だ。君は我々の作り上げた帝国を知らぬまま死ぬのだからな」
男はゾムの目を見つめ指に力を込める
「…おっさん、俺の表情だけで判断するんは危ないんとちゃう？」
ゾムはニヤリと笑う
男がゾムの手に発煙弾が握られていたのに気づいた時にはもう遅かった
たちまち部屋が煙で満たされていく
男は煙を振り払おうと手を伸ばしたが、手そのものが無くなっていた
「痛覚もないみたいやな。ほんま助かったわ、お陰でこれ手に入ったし」
ゾムは男の手が付いたショットガンを持っていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 402人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵斗(別アカ) - 親の敵みたいに塗りたくる…w (3月25日 8時) (
レス) @page34 id: 8875507bce (このIDを非表示/違反報告)
作者 - いちごミルクさん» 最後まで読んでくださりありがとうございました！面白いと思ってもらえて良かったです！！ (2020年7月5日 16時) (レス) id: 69ae9c9327 (このIDを非表示/違反報告)
いちごミルク(プロフ) - 完結お疲れ様です。面白かったです！！ (2020年7月5日 0時) (レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - VOCALOID好きの一般人。さん» クラッカーも作ってくださったんですか！！ああ、理解者いてくださるなんて感激です…！ご家庭に特製のシロップがあるなんて羨ましい(*ﾟ▽ﾟ*)是非これからも色々アレンジして新しい味を見つけていって下さいね！ありがとうございます！！ (2020年7月1日 16時) (レス) id: 69ae9c9327 (このIDを非表示/違反報告)
VOCALOID好きの一般人。(プロフ) - 度々失礼します。クラッカーも作ってみました。私の家に蜂蜜は無いので、メープルシロップみたいな我が家特製シロップなんですけど。あと生ハムにかけるの、胡麻じゃ無くてブラックペッパーでも美味しかったですよ！失礼しました。 (2020年7月1日 1時) (レス) id: 02313a92b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：逆転の人 | 作成日時：2020年6月1日 2時
