永遠色グラフィティ

熱愛(5) ページ5

「てーごーしーーー」



二人のいる公園に誘導すると、


自分も騙されていた事に気付くシゲ。


後ろからこめかみをグリグリと押さえ付けられる。




「ごめんっ！シゲごめんって〜！」



「小山を悲しませやがって・・」



「ごめん！」



謝った後シゲに体をピッタリくっつけて、


遠巻きに二人を見つめた。





ーーーーーーーーー





「ごめん！」


深く頭を下げると、



「まっすーがこんなことするとは思わなかった！」


初めて見る、小山の本気のおこ顔。



「あ！慶ちゃんがおこだよ！」


遠くで手越が嬉しそうに言った。




「手越うるさいっ！！」



「小山が怒鳴った！」



シゲまで楽しそうに言っている。


あいつら、俺の気も知らないで・・。




「どうすれば許してくれる？」


小山を見上げながら尋ねると、


熱愛ページ増量の要望と共に


「もっと激しく愛を見せて」と強い口調で言われた。




「愛を見せろと言われましても・・」


「出来ないの？」



本気で怒った小山さん、


マジ怖い。


目が冷たい。マジで。




「愛してるよ、小山」


「それで？」


「早く帰っていちゃいちゃしたい」


「ここでして」


「は？」


とんでもないことを言い出す恋人。



「早くしろ」


怒鳴らないから余計に怖い。




「ワカリマシタ」


チュ。


ほっぺたにキスすると、


「何それ」


冷たいよ〜。手越助け・・




「よそ見しない」


「はい」


うなだれて腹を決めた。



肩に置いた手を


すっと背中に回し引き寄せる。



「俺、小山しか見えないよ。


ずっと俺の側にいて」



目を閉じた小山に、顔を近付ける。



「俺が熱愛できんのは、小山だけだよ」



耳元でつぶやくと、


小山が息を飲むのを感じた。



「小山・・」


耳を熱い舌で舐めた途端


ボッと炎をあげたように赤くなる小山の顔。



その後俺たちは二人の存在をすっかり忘れ、


熱烈過ぎる口づけをした。



「おいし」


小山のトロッとした目が


俺を誘ってきて止まんないんだ。




ーーーーーー




「お前、これなんだよ」


完成した雑誌を四人で覗き込むと、


いち早くシゲが俺を睨みつけた。



「良いでしょこれ。超良いわー」


「良いわじゃないっつーの！」



公園で慶ちゃんとまっすーのやりとりを見て


ほっとして涙したシゲの泣き顔。



こっそり撮ってました、俺。



親友の危機に泣いてるシゲ、


ちょっと妬けたけど、可愛かった！





fin.

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