こんなはずじゃなかった(3) ページ9
「手越・・」
穏やかそうに見える寝顔が胸を締め付けた。
家族がいなくなったって、一体どこに行ったんだろう。
「け・・ちゃん」
そっと頭を撫でると手越が目を開ける。
俺の服を掴む細い指が、戸惑うように震えていた。
「だいじょぶだよ。ここにいるからね」
「ほんと？」
「うん、ほんと。俺が手越を離したくないんだもん」
起き上がった手越の体を包み込む。
「慶ちゃん、俺、ごめんね」
ぎゅっと背中に回された手。
「手越さ、何かあった？」
「え・・」
体を離して覗いた瞳が、暗い色を湛えて揺れた。
すっと体ごと背を向けるから、
「手越？」
後ろから肩を抱いて引き寄せる。
思ったよりも華奢な手越の体。
「親が・・」
「うん」
ぎゅうっと俺の手を掴む。
「俺に愛想尽かしちゃったみたい・・。
最近家に嫌がらせがすごくて」
まっすぐに気持ちを言葉にする手越は
ファンには愛されるけれど、逆恨みを受けることも多いのだろう。
可愛過ぎる見た目もマイナスに働いて。
「手越、きっと落ち着いたらちゃんと連絡くれるよ。
だって手越のお母さんだよ？手越の為にそうしたに決まってるよ」
「でも・・・」
後ろから窺う手越の瞳からは、堪えていた涙がポトリと落ちた。
「俺、迷惑かけちゃったから・・。
家族だからって甘えて。慶ちゃんにも甘えて。
きっともう戻って来てくれないよ。
こんなはずじゃなかったのに・・」
声を震わせながら言うから、
「手越、良いんだよ。俺にはいっぱい甘えてよ。
俺だって手越に甘えてるよ。
手越がいるから笑っていられるの。
俺が手越の存在にどんなに救われてるか、わかんない？」
そのままの手越でいて欲しいよ、俺は。
ぴったりくっついていた体を少しずらして
手越の頬っぺたに自分の頬をくっつける。
「慶ちゃんあったかい」
頬をすりすりすると、手越の涙に触れた。
「いっぱい泣こ。
そしたら、きっと良いことが待ってる」
「うん、そうだよね・・」
どうしても涙を拭いたくて、手を優しく解いて頬っぺたを触る。
「慶ちゃん器用だね。後ろから涙拭いてくれるなんて」
重ねられた手に、やっと心が落ち着いたことを知る。
よかった・・。
「てごにゃんごめん、俺ぼーっとする・・」
手越の安心したのを感じて、自分の怠さを思い出した。
熱上がって来たかも。
「慶ちゃんっ！」
今日はよく意識が飛ぶなぁ〜・・。
(つづく)
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大福もちこ(プロフ) - ｸﾗﾊさん» おや、そうでしたか^_−☆笑 短編集だから内容は今と変わらないんですけどね。新・さくら並木〜でイイかな〜。考えるの楽しいですよね題名も☆ (2014年5月15日 23時) (
レス) id: 0618d2993c (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 美江にゃん□?さん» いいえ〜こちらこそリクありがとうございました♪楽しんで貰えたなら嬉しいです☆嬉しいな〜頑張りますよん！ (2014年5月15日 23時) (レス) id: 0618d2993c (このIDを非表示/違反報告)
ｸﾗﾊ(プロフ) - いや、ｸﾗﾊも本来そっち系…(笑)内容わかればﾀｲﾄﾙ考えてあげたいところだけど…ﾀｲﾄﾙは、ｸﾗﾊもｾﾝｽなし(;^_^A (2014年5月15日 22時) (レス) id: 3632dde973 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - ｸﾗﾊさん» あっクラハさん！読みに来て下さっていたのですね\(//∇//)\やたー！次の題名、悩み中です。女の子との恋愛よりこっちのが筆が進むのが悩みどす。爆 (2014年5月15日 22時) (レス) id: 0618d2993c (このIDを非表示/違反報告)
ｸﾗﾊ(プロフ) - ﾍﾞｽﾄｶｯﾌﾟﾙ最高(笑)いや、面白かった♪←実はちゃんと読みに来ていたｸﾗﾊでした (2014年5月15日 9時) (レス) id: 3632dde973 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kim sora | 作成日時：2014年3月16日 22時
