続・君の背中(1) ページ5
あの日。
いつになく不調そうな手越の様子に
俺は初めて、舞台に上がる手越を止めた。
「なんで？俺出来るよ！」
いつものように真剣な瞳で訴えたけれど。
「ごめん手越。でも俺、これを最後にしたくない」
なんとなく気付いた手越の決意を口にすると、
手越はギクッと固まったように動かなくなった。
「やっぱり、まっすーにはわかっちゃうんだね」
ほっぺたの肉をこわばらせ、見る見る涙を湛え始める手越の大きな瞳。
「なんで最後だなんて決めるの？体、かなり悪いの？」
俺たちはずっと二人なのに。
俺の相方は手越しかいないのに。
「うん・・喉の病気で移植しないともう・・」
「喉・・」
手越が一人で抱えていたことの重さに何も言えなくなる。
二人を沈黙が包む。
もうすぐ出番。
西川さんは反対の下手でスタンバイしているはずだ。
スタッフさんもそちらで指示を出している。
近くにいたスタッフさんのトランシーバーで、一旦止めてもらえるようお願いした。
「手越、俺、マネとスタッフさんに説明して来るから、ここに座ってて。
一緒に考えよう。これからのこと」
「うん・・」
まだ納得しそうにない手越をパイプ椅子に座らせ、
スタッフさんに動かないよう見ていてくれと頼んでその場を後にした。
廊下を走りながら、のんびり屋な頭をなんとか高速回転させる。
移植すれば治るなら。
歌えなくても治るなら。
治るなら。
手越が生きていてくれるなら。
ずっと一緒に歌えなくてもいいから。
生きていて、手越。
「手越！」
事情を話してマネを連れて戻ると、手越は汗びっしょりになって激しい痛みに身を悶えていた。
「まっす・・痛いよ、俺、死にたくないよ・・」
汗と共に流れ出る、大粒の涙。
「大丈夫、俺がいるから。ずっといるから」
熱過ぎる手越の手を握り、救急病院に急いだ。
翌日、病室で目を覚ました手越は、いくらか落ち着いた顔をしていた。
「まっすー、いてくれたの？」
力ない目を細く開けて小さな声で話す手越が
今にも消えてしまいそうで。
話さなくていいから。
どうか消えないでと祈っていた。
小山とシゲには連絡したけど、落ち着いてから来てもらう事にした。
「ごめんなさい、まっすー・・」
昨日のステージのことか。
「先輩方が助けてくれたから、大丈夫。な。」
俺ができる一番優しい顔を見せられていれば良いんだけど。
願うのは、お前のいつもの笑顔。
(つづく)
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大福もちこ(プロフ) - ｸﾗﾊさん» おや、そうでしたか^_−☆笑 短編集だから内容は今と変わらないんですけどね。新・さくら並木〜でイイかな〜。考えるの楽しいですよね題名も☆ (2014年5月15日 23時) (
レス) id: 0618d2993c (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 美江にゃん□?さん» いいえ〜こちらこそリクありがとうございました♪楽しんで貰えたなら嬉しいです☆嬉しいな〜頑張りますよん！ (2014年5月15日 23時) (レス) id: 0618d2993c (このIDを非表示/違反報告)
ｸﾗﾊ(プロフ) - いや、ｸﾗﾊも本来そっち系…(笑)内容わかればﾀｲﾄﾙ考えてあげたいところだけど…ﾀｲﾄﾙは、ｸﾗﾊもｾﾝｽなし(;^_^A (2014年5月15日 22時) (レス) id: 3632dde973 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - ｸﾗﾊさん» あっクラハさん！読みに来て下さっていたのですね\(//∇//)\やたー！次の題名、悩み中です。女の子との恋愛よりこっちのが筆が進むのが悩みどす。爆 (2014年5月15日 22時) (レス) id: 0618d2993c (このIDを非表示/違反報告)
ｸﾗﾊ(プロフ) - ﾍﾞｽﾄｶｯﾌﾟﾙ最高(笑)いや、面白かった♪←実はちゃんと読みに来ていたｸﾗﾊでした (2014年5月15日 9時) (レス) id: 3632dde973 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kim sora | 作成日時：2014年3月16日 22時
