片割れ(3) ページ21
「くしゅんっ！」
自分のくしゃみに驚いて飛び起きると、
さっきまで暗かった空は明るくなり始めていた。
うわ〜・・こんなとこで寝ちゃってたよ・・寒っ・・。
もう桜の散った公園のベンチで
俺は一人朝を迎えた。
シゲ、今日仕事だよね。
メンバーの大体のスケジュールを把握している俺。
時計の針は６時を指していた。
もう出てる頃だな。
俺は公園を後にして家に向かう。
誰もいない部屋でほんの少しの荷物をかばんに詰め、
それから一週間、俺はテレビ局に泊まり込んだ。
ーーーーーーー
去年はシゲと一緒に出ていた特番に
今年は裕太と出る事になって。
正直今は気まずいから助かったと思っていた。
だけど、放送されたそれを観ると
隣にシゲがいないことが不安でたまらないって顔をしてる自分がいた。
うわぁ・・・。
俺が絶句していると、楽屋で一緒に観ていた手越が
「慶ちゃん、顔に出過ぎ」
ため息をついて言う。
「うるさいよ！」
笑って返したけれど、
もう限界かも。
そう思い始めていた。
ーーーーーーー
放送の翌日、シゲがいない時間を見計らい部屋に行った。
どう謝るか考えよう、そう思っていた。
そーっと玄関を開けると、
「ん？」
玄関には靴が散乱していた。
こんなの初めてだな。
お目当ての靴が見つからなかったのかな。
でも俺の靴も散らばってる・・。
これじゃあシゲがいるのかいないのかわかんないなと思いながら
リビングの戸を開けると、
そこには見慣れない風景が広がっていた。
・・これ・・。
台所の食器は
食器棚から一つ残らずなくなっていて。
リビングに飾ってあったシゲの写真も、
シゲが好きな浮世絵も、何もない。
寝室のクローゼットの服も本も、
シゲの分はごっそりなくなっていた。
がらんとした、真っ白な部屋。
きれいに整えられたベッドの枕元には、
二人の写真を入れた写真立てが
伏せたまま残されていて。
俺、もう、いらないの？
シゲの消えた部屋で、
俺は立ち尽くす事しかできなかった。
ーーーーーーーー
そんな現実から目を背けたまま、
俺がMCを担当する生放送番組が始まった。
ジャニーズの先輩方との日替わり企画は
思っていたより体力を消耗して。
視聴者の方とつながる事が出来てとても楽しかったけれど、
一番会いたい人がそこにいない。
シゲと最後に会ってから、二週間が経とうとしていた。
(つづく)
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大福もちこ(プロフ) - ｸﾗﾊさん» おや、そうでしたか^_−☆笑 短編集だから内容は今と変わらないんですけどね。新・さくら並木〜でイイかな〜。考えるの楽しいですよね題名も☆ (2014年5月15日 23時) (
レス) id: 0618d2993c (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 美江にゃん□?さん» いいえ〜こちらこそリクありがとうございました♪楽しんで貰えたなら嬉しいです☆嬉しいな〜頑張りますよん！ (2014年5月15日 23時) (レス) id: 0618d2993c (このIDを非表示/違反報告)
ｸﾗﾊ(プロフ) - いや、ｸﾗﾊも本来そっち系…(笑)内容わかればﾀｲﾄﾙ考えてあげたいところだけど…ﾀｲﾄﾙは、ｸﾗﾊもｾﾝｽなし(;^_^A (2014年5月15日 22時) (レス) id: 3632dde973 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - ｸﾗﾊさん» あっクラハさん！読みに来て下さっていたのですね\(//∇//)\やたー！次の題名、悩み中です。女の子との恋愛よりこっちのが筆が進むのが悩みどす。爆 (2014年5月15日 22時) (レス) id: 0618d2993c (このIDを非表示/違反報告)
ｸﾗﾊ(プロフ) - ﾍﾞｽﾄｶｯﾌﾟﾙ最高(笑)いや、面白かった♪←実はちゃんと読みに来ていたｸﾗﾊでした (2014年5月15日 9時) (レス) id: 3632dde973 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kim sora | 作成日時：2014年3月16日 22時
