あの頃僕らは走っていた(3) ページ3
遂に言っちゃったよ俺。
大丈夫かな、明日から。
シゲ、俺の事軽蔑したかな？
家に帰ってシャワーを浴びると、不安な気持ちがどんどん膨らんできた。
やばい俺。
…走ろう。
シャワーを浴びた意味があるのかないのか、別のジャージに着替えてリビングに行く。
携帯が光っているのに気付いて手に取ると、シゲからのメッセージが届いている。
"おれも"
たった三文字の言葉に、こんなに胸が高鳴ったのは初めてで。
嘘…。
慌てて部屋を出てシゲの家に向かう。
走れば20分で着く、見慣れたマンション。
抱えた想いを隠して見上げる日々をもう、繰り返さなくてもいいのかな。
初めて押す、シゲの部屋番号。
…って部屋何号室？
部屋の場所はわかるけど、部屋番号は知らなかった。
「もしもし慶ちゃん？シゲの部屋、何号室？」
慌てて慶ちゃんに電話すると、
「0711だけど…どしたの？何かあった？」
心配そうな声で教えてくれる。
「うん、ちょっと…」
「…勝ち目ないもんなぁ、俺」
静かな声に驚く。
「え？」
「手越が幸せなら俺、幸せだよ。」
ガチャっと切られた電話を見つめる。
あ、シゲ。
0711を押して応答を待つ。
「はい…？」
「シゲ、俺だけど…」
ガタガタッと何かが崩れる音がする。
「どしたの？だいじょぶ？」
少し間があって、
「大丈夫…今開ける。」
インターフォン越しでもわかる、緊張したシゲの声。
「ほんとに？」
ドアを開けた瞬間飛び込んで来たのは、棒立ちのシゲの姿。
「うん。お前こそ…本気なの？」
唇を噛み締めながら落ち着きなく尋ねるシゲが可愛くて。
靴を脱ぐのももどかしくその手を引いた。
「俺、しつこいよ？」
試すような強い視線にクラクラしながらも
「俺のしつこさに勝てる？」
やっぱり顔を出す、負けず嫌いな俺。
こんな事言ってるけど、俺、シゲになら負けても良いんだ。
いや、もう既に負けてるのかも。
「足遅くても良いの？」
キスしようとシゲの唇を見つめる俺に気付いて、笑いを噛み殺しながら言う。
「足？！」
早くしたくて堪らないのに今聞くことなの？それ。
「教えてよ」
両手でフワッと頭を撫でられる。
「わっ」
「わって何だよ」
だってびっくりしたんだもん。
いきなり撫でるから…。
「シゲの足が遅くなきゃ、捕まえられないでしょ？」
余裕そうだったシゲの顔が一気に赤くなって目を伏せた。
「本気」
これからも一緒に走ろうね、シゲ。
fin.
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大福もちこ(プロフ) - ｸﾗﾊさん» おや、そうでしたか^_−☆笑 短編集だから内容は今と変わらないんですけどね。新・さくら並木〜でイイかな〜。考えるの楽しいですよね題名も☆ (2014年5月15日 23時) (
レス) id: 0618d2993c (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 美江にゃん□?さん» いいえ〜こちらこそリクありがとうございました♪楽しんで貰えたなら嬉しいです☆嬉しいな〜頑張りますよん！ (2014年5月15日 23時) (レス) id: 0618d2993c (このIDを非表示/違反報告)
ｸﾗﾊ(プロフ) - いや、ｸﾗﾊも本来そっち系…(笑)内容わかればﾀｲﾄﾙ考えてあげたいところだけど…ﾀｲﾄﾙは、ｸﾗﾊもｾﾝｽなし(;^_^A (2014年5月15日 22時) (レス) id: 3632dde973 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - ｸﾗﾊさん» あっクラハさん！読みに来て下さっていたのですね\(//∇//)\やたー！次の題名、悩み中です。女の子との恋愛よりこっちのが筆が進むのが悩みどす。爆 (2014年5月15日 22時) (レス) id: 0618d2993c (このIDを非表示/違反報告)
ｸﾗﾊ(プロフ) - ﾍﾞｽﾄｶｯﾌﾟﾙ最高(笑)いや、面白かった♪←実はちゃんと読みに来ていたｸﾗﾊでした (2014年5月15日 9時) (レス) id: 3632dde973 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kim sora | 作成日時：2014年3月16日 22時
