「好き」なだけ(5) ページ17
「いやいやいや！そんな事一度も言ってないから！
俺は慶ちゃんが好きなんです！！」
抑えられた両手を必死に振りほどき
反対に錦戸君を押し倒す。
「わっ！お前いつからそんなに力強くなったん？」
心なしか嬉しそうに目を見開く錦戸君。
「はぁ？何の話？」
ケタケタ笑い出す錦戸君に思わず怒鳴ると
「悪い悪い。じゃ、俺帰るわ。また遊ぼうや！」
爽やかに片手を上げて錦戸君は出て行った。
あーーびっくりした。
バクバクする心臓を抑えてリビングに戻ると
慶ちゃんがちょこんとソファに座っていた。
「おわわっ！なんでいるの！？」
さっき出て行ったばっかなのに。
もしかしてさっきの聞かれてた？！
「えっとー・・。
紅茶買って戻って来たんだけど・・」
気まずそうに首をかしげる慶ちゃんが可愛くて
思わず横に飛び乗る。
「聞いてた？さっきの」
「えっ？さっきのって？」
「さっき俺が言ったこと」
「えっと、いや・・聞いて・・ない？かな？」
目を合わせようとしない慶ちゃん。
我慢してた。
好きって気持ち。
伝えたら止めどなく溢れそうで。
今あるものを壊してしまいそうで。
だけど。
「言ってみたら楽になっちゃった、俺」
心が軽くなった気がしていた。
「我慢してたの？」
慶ちゃんの目が俺の手を見ていた。
そろそろと近付く、慶ちゃんの右手。
「うん、してた」
左手に重ねられる。
「なんで？」
「慶ちゃんと同じだよ。
大切なもの、もう失いたくないから」
「好きなだけじゃ、迷惑だったんでしょ？」
「うん、だって辛いんだもん。苦しいんだもん。
好き過ぎて、もっともっとって思っちゃって。
こんな気持ち、捨てちゃいたかった」
あったかい手。
「俺さぁ、片思いって好きなの」
泣きそうな俺に向かって慶ちゃんは言う。
「だって片思いって自由でしょ？
何を想像したって良いし、
相手の嫌なところは一切見ずに済むんだよ。
それに、そのうち他の人の事好きになっても全然問題ないしね」
楽しそうに話す慶ちゃん。
「そっ、そんなの駄目！」
思わず飛び出た自分の気持ちに口を押さえる。
「うわ〜手越ってほんと自己チュー！」
ふわりと笑う慶ちゃん。
久しぶりの笑顔。
自分でも思う。
だけど、壊したくないものと手に入れたいもの
どっちも等しく大事なものなんだ。
それならば、両方を守っていこう。
俺ならできる。
慶ちゃんとならできる。
きっと。
fin.
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大福もちこ(プロフ) - ｸﾗﾊさん» おや、そうでしたか^_−☆笑 短編集だから内容は今と変わらないんですけどね。新・さくら並木〜でイイかな〜。考えるの楽しいですよね題名も☆ (2014年5月15日 23時) (
レス) id: 0618d2993c (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - 美江にゃん□?さん» いいえ〜こちらこそリクありがとうございました♪楽しんで貰えたなら嬉しいです☆嬉しいな〜頑張りますよん！ (2014年5月15日 23時) (レス) id: 0618d2993c (このIDを非表示/違反報告)
ｸﾗﾊ(プロフ) - いや、ｸﾗﾊも本来そっち系…(笑)内容わかればﾀｲﾄﾙ考えてあげたいところだけど…ﾀｲﾄﾙは、ｸﾗﾊもｾﾝｽなし(;^_^A (2014年5月15日 22時) (レス) id: 3632dde973 (このIDを非表示/違反報告)
大福もちこ(プロフ) - ｸﾗﾊさん» あっクラハさん！読みに来て下さっていたのですね\(//∇//)\やたー！次の題名、悩み中です。女の子との恋愛よりこっちのが筆が進むのが悩みどす。爆 (2014年5月15日 22時) (レス) id: 0618d2993c (このIDを非表示/違反報告)
ｸﾗﾊ(プロフ) - ﾍﾞｽﾄｶｯﾌﾟﾙ最高(笑)いや、面白かった♪←実はちゃんと読みに来ていたｸﾗﾊでした (2014年5月15日 9時) (レス) id: 3632dde973 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kim sora | 作成日時：2014年3月16日 22時
