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「ある日、
その店員が一言、男に話しかけました。」



「”いつもいらっしゃってる方ですよね?”と。」



...この時のことは俺は今でも鮮明に覚えてるで?


注文してたミルクティーをテーブルの上に置くと同時に上から降ってきた声。

その声が俺の耳に心地良く響いて
思わず顔を上げてん。

それまでキミの声なんて
意識して聞いたこととか無かったからさ。



『あっ、はい。
この店の雰囲気、めっちゃ気に入ってて』



A『ふふ、そうなんですね。
いつも熱心に勉強なさってるなぁって思って。

ほら、今日も。』


そう言ってテーブルの上に広がる
課題たちに視線を移す。


『これ、課題ですよ?笑
仕事の関係で家でする時間がなくて...』


家やといろんな誘惑があるし、
ここでする方が集中できるし。


A『えっ、お仕事されてるんですか!
あれ、学生さん...ですよね?』


うわ...やってしもた。
なんで仕事とか言うてんねん〜、俺のアホ。


『ま、まぁ...』


”おーい、Aちゃーん”


A『あっ、店長に怒られる(笑)
長居してすみませんでした、頑張ってくださいね!』


店長さん、ナイスタイミング!
なんとか誤魔化せたよな?



名前...Aちゃんって言うんや、




「この日を境に2人は顔を会わせる度、
言葉を交わすようになりました。」

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作者名:げっち | 作成日時:2015年4月22日 20時

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