10 ページ45
.
ぐるぐる、ぐらぐら。
揺れる世界にぎゅっと目をつぶって布団に潜り込む。頭まですっぽり隠して、ちいさくまるまった。
きもちわるいし、吐いたせいで胃は痛いし、頭も痛いし、でも。
みんなも休みたいよね。いい歳した奴の看病なんて。
やだなぁ。ごめんね。
そっとため息をつくと、ふわりと布団の上から手が添えられた。思わずびくんとからだがはねる。
だれ、けいちゃん?
息を潜めて動かずにいると、てごし、と優しい声。
あぁ、まっすーだ。
なんでかほっとして、なんでか起きなきゃと思って、なんでか泣きそうになる。情けない、こんなの、
「てごし、起きてるんでしょ?」
ばれてる。けど、こんな風に弱っているところを見せるのが嫌で、動かないで黙り込む。
「………寝てるのかぁ。じゃあシゲの手伝いしに行こっかなぁ」
がちゃ。
ドアが閉まる音がして、がばっと布団をめくる。
「まって、」
きょろきょろして、がっくりうなだれる。いない。出て行っちゃった。出て行ってほしかったんだけど。寂しいなんて言ったら呆れる?
「まっすぅ……」
「ふふ、なんてね。なぁに、てごし」
「、わわ」
出て行ったはずのまっすーがベッドに腰掛ける。にこにこして、俺の髪を撫でた。
どうして。
「てごし置いて行くわけないじゃん」
「いじわる…」
「手越が出てこないからだよ。ちなみにシゲのお手伝いは小山と交代してきましたぁ」
「、なんで」
「なんでって、てごしに会いたかったから」
「………っ、なにそれ、」
マッスーパーマンが来たからもう大丈夫だぞぉ、とかわけわかんないことを言いながら笑う。
ふざけてるみたいだし、わけわかんないし。
でもほんとは。わかってるよ、
「まってたよ」
慶ちゃんも待ってたけど、と付け加えると、ばか、と軽く小突かれた。
.
宣言(?)どおり手越くんの誕生日に。
もうひとつの作品でお祝いします(^^)
評価100越え赤星さんになりました!ありがとうございます!すごく嬉しい!恩返しと言っては足りませんが、更新でお返ししていきたい(>_<)
.
279人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうこす - リクエスト了承ありがとうございます!移行も楽しみにしてます! (2017年11月24日 2時) (レス) id: 6a5231e6a1 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - ゆうこすさん» リクエストありがとうございます。大好きだなんて勿体ないお言葉ありがとうございます( ; ; )お待たせしてしまうかと思いますが頑張ります! (2017年11月23日 18時) (レス) id: 841f60ac53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうこす - リクエスト大丈夫ですか?手越君がライブ中に声が出なくなって悔しくて泣いちゃうというお話が見たいです!今書いていらっしゃるお話本当に大好きです! (2017年11月22日 18時) (レス) id: 6a5231e6a1 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - ももさん» ありがとうございます(^^)これでしばらくはテストから解放されます(>_<)手越くんに総じて言えることは『かわいい』大体のことはこの言葉で片付けられる!!ファンはミスター小山に引けを取らない末期…(失礼) (2017年11月18日 14時) (レス) id: 841f60ac53 (このIDを非表示/違反報告)
もも - テストお疲れ様です!手越君はシゲのこと大好きですよね!手越君の普段は強気で初めての人には人見知りするのにメンバーといると甘えるギャップがたまらない! (2017年11月17日 23時) (レス) id: 6a5231e6a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふわり | 作成日時:2017年8月29日 19時