悲しい瞳 ページ43
「A、会いたかった……。」
吸血鬼の居た場所から遠く離れた館で、あたしはシュウに抱きしめられた。
その瞬間、切なさが、恋しさが込み上げてきてたまらなくなる。
「あたしも、シュウに会いたかった。」
抱きつくと温かさが、全身に染み渡る。
どういう経路で好きになったかは何故か思い出せないけど、一つだけ分かることは。
あたしがシュウを好きだ、ってことだけ。
「ごめんね、怖くて、辛い目に遭わせて…」
きっと、吸血鬼に襲われそうになった事を言ってるのだろう。
「大丈夫。シュウが守ってくれるから。」
そう言って微笑んだけれど、僅かに心に引っ掛かることがあった。
あの吸血鬼の、瞳。
あたしを見るその目は、温かくて、優しくて、そして…凄く寂しくて辛そうだった。
人を襲って血を吸う冷酷な吸血鬼だとは思えないくらい。
そして、その瞳悲しげでは何故か懐かしくて、心を締め付けていた。
「A……？」
気がつくと、シュウが心配そうにあたしを見ていた。
「う、ううん。何でもない。」
そういって微笑むと、シュウも笑ってくれた。
「なら、良かった。
そうだ、服着替えたいよね？」
シュウは手に持っていた布をあたしに渡した。
広げると、それは豪華な黒いワンピースだった。
「ありがとう!!シュウ!!」
早速着替えようと自分の服に目を落として、
「……あれ…？」
白いフリフリのワンピースを着ているのは、特に問題ない。
けれど、気になるのは、ベルトに付いているもの。
長い日本刀。
日本刀なんて持ってる記憶がないけれど、あたしは恐る恐る刀を抜いた。
「あ………」
手に伝わるずっしりした重みが、何だか懐かしい。
上まで振りかぶって、下ろして止める。
遠心力で円を描く。
横や斜めにも一閃。
身体が感覚を覚えているみたい。
確かこうやって、何かと闘ってたような……
「A。」
手首を締め付けられる感触と共に我に帰ると、シュウがあたしの手を掴んでいた。
「ほら、女の子がこんな事しちゃダメ。これは預かっておくね。」
シュウは言うやいなや、刀を持って部屋を出ていった。
何でだろう……凄く、もどかしい……。
ラッキーアイテム
革ベルト
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瀬令瑠菜(プロフ) - なんのことですか？ (2013年5月5日 8時) (
レス) id: bd8e33d816 (このIDを非表示/違反報告)
瀬令瑠菜(プロフ) - 妖姫ｰｱﾔｶｼﾋﾒｰさん» そうです＾＾ (2013年1月12日 21時) (レス) id: 8c6c9b61f4 (このIDを非表示/違反報告)
瀬令瑠菜(プロフ) - 妖姫-ｱﾔｶｼﾋﾒ-さん» 読みたいといってくださるのは、とてもうれしいです＾＾ その人に見せるだけなら構いませんよ♪くれぐれも、転載などはしないようにお願いします。 (2013年1月11日 20時) (レス) id: 8c6c9b61f4 (このIDを非表示/違反報告)
妖姫ｰｱﾔｶｼﾋﾒｰ - 「違反」にした人、といてください！ (2013年1月11日 18時) (レス) id: b06aef17b4 (このIDを非表示/違反報告)
妖姫-ｱﾔｶｼﾋﾒ- - 友達にこの小説のこと話したら「読みたい！」って。でも、PCも3DSも持って無い人いて。自分のノートに書き写したいのですが、いいですか？1/12までにｺﾒ返無ければ、書きますね！ (2013年1月11日 18時) (レス) id: b69d7f8205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬令瑠菜 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/runarunaterulove/
作成日時：2012年8月27日 16時
