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桃「めっちゃ楽しかったなぁー!!」
青「ほんなら、俺らこっちやから、またな〜」
緑「おん!じゃあな!バイバーイ!!」
二人の背中を見送る。
のんちゃんと流星は今日部活がなかったらしく、ゲーセンには三時間も滞在してしまった。
もう夕方の7時。
普通やったら帰らなあかんのやろうけど家には、まだ帰りたくなかった。
ちょっとそこらへんブラブラしていこかなー
って思ったんが間違いやった。
前を見ずに、足下ばっかり見てたら気づくとそこはネオン街、まぁいわゆるそういう系のお店がいっぱい並んでる所にいた。
「お兄さん!今日安いよ!」
「こっち可愛い子揃ってるよー、」
僕が制服着てて学生なの見たらわかんのにそれに構わずいろんな人が声をかけてくる。
緑「す、すみません。急いでるんで、」
恐くて、とにかく声かけられへんように小走りになる。
どうしよう、どうしよう!どうやったら帰れんの?
しばらくネオン街を走っていると、少し遠くに見慣れた後ろ姿が見えた。
緑「しげっ!」
安心して声かけてから、違和感に気づいた。
あれ?なんでしげこんなとこにおんの?
バイトは?
しげは僕を見た瞬間、大きく目を開けた。
赤『おっ!神ちゃんー!』
元気に口を開けて、手を振って、そう言うてくれると思っていたのに、しげは僕の予想と違う反応やった。
赤「え、なん、で?」
そのしげは僕の知ってるしげじゃなかった。
だってしげはいつも自信満々で、ニコニコしてて、明るくて、それで…!
「ん?新しい子?」
しげで見えんかったらしい。
しげの横にはおっちゃんがいて、しげの腰を抱いて立ってた。
そして、二人の歩いてきた方向にはホテル街があって。
あかん、、頭がこんがらがりそうや。
緑「え、え、どういうことなん?…し、げ?」
赤「ぁ、、ごめ、っ!」
僕が声をかけた瞬間しげは一瞬びくってして、
それから、反対の方向にすごい速さで走っていってしまった。
…しげ、僕と一回も目、合わんかった。
僕の中で危険信号が鳴る。
今、しげを追いかけないとあかん。そんな気がした。
気がするだけやけど、それが今はめっちゃ重要やないかと思ったから。
緑「っ、しげ!待って!!」
しばらく石のように地面にくっついて離れへんかった僕の足は、僕自身の声に驚いたのか出したことがないほどのスピードでしげの走っていった方向へ走り出した。
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kt.(プロフ) - かすみんさん» ありがとうございます(*´∀`)もう少し続きますので、良かったら見てください! (2017年5月29日 23時) (レス) id: bde8abe515 (このIDを非表示/違反報告)
かすみん(プロフ) - このお話大好きです!読みやすいしすごくきゅんきゅんします!これからも更新頑張ってください! (2017年5月28日 3時) (レス) id: 17c27466bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kt. | 作成日時:2017年5月7日 16時