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父「お前、よおこんなことできるなぁ!この恩知らず!誰がここまで育ててやったと思ってんねん!」
久しぶりにみた父の顔は僕の想像よりも老けていて、顔は怒りで真っ赤に染まっていた。
怒りを隠そうともせず喚き散らす父とは反対に僕の心は急激に冷えていった。
母は……僕の記憶の中と同じ優しい目をしていた。
「あぁ、お母さんはあの日のままだ。まだ、俺を愛してくれてる。」
そう思った。
父「お前っ!このっ!聞いているのか、!」
父には何回も殴られた。口の中は切れて痛いし、瞼は腫れるし、身体中アザだらけだった。終いにはタバコの火を腕や足に押し付けられて、痛くて、痛くて、何回、泣いて、叫んで、許しを得ようと思ったかわからない。
でも、僕は母さんが、あの目を僕に向けてくれたから、それだけで生きていける。いや、それだけが生きる気力やった。
まぁ、そうは言っても人間には限界がある。
ついに、その日を僕は迎えてしまった。
父「お前、もう高校行かんでいいから、ずっとこの部屋おれ。お前を世間様に見せんのも恥ずかしいわ。」
緑「…」
父「また、だんまりか!」
ずっと俯いたままの僕に父の平手が容赦なく頬を打つ。
痛い。
でも、我慢や。
母「あなた、もうこのぐらいにして、」
父「お前はずっと見てばかりやったな。なんかないんか…」
緑「…」
母「私は…」
だんまりを続けていた僕やったけど、お母さんは僕をかばってくれる。そう信じていた。
ところが、母が出した答えは、僕の予想を簡単に裏切った。
母「この子を自分の子供と思ったことがないもの。他人の子を叩くことなんかできない。そうでしょ?」
____え?
緑「か、かぁさ…ん?」
母「やだ、触んないで。汚い。言っておくけどあんたのこと愛したことなんか一回もないから。…気持ち悪い。」
母さんは僕の伸ばした手を振り払い汚いものを見るような目で僕をみた。
あの日の優しい目は、嘘やったんや。
そこで初めて気付かされた。
あぁ、僕は最初から愛されてなんか、いなかったのだと。
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kt.(プロフ) - かすみんさん» ありがとうございます(*´∀`)もう少し続きますので、良かったら見てください! (2017年5月29日 23時) (レス) id: bde8abe515 (このIDを非表示/違反報告)
かすみん(プロフ) - このお話大好きです!読みやすいしすごくきゅんきゅんします!これからも更新頑張ってください! (2017年5月28日 3時) (レス) id: 17c27466bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kt. | 作成日時:2017年5月7日 16時