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小さい頃、体が弱かった僕は自分の部屋と窓枠からみえる空、そして母さん。それが世界の中心やった。



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緑「おかぁさん。僕、なんでお外出たあかんの?出たい!」

母「ともはちょっと体が弱いからなぁ。もっと大きくなったら出れると思うで!」



父さんはいつも仕事で帰りが遅かったから、必然的に母さんと話すことが多かった。
母さんは笑顔の絶えない元気いっぱいの人やった。




緑「僕、世界で一番好きなんは母さんやで!」

母「ありがとう!お母さんも、とものこと世界で一番大好き!」





でも、『世界で一番』という言葉は次に生まれた弟にいとも簡単に奪われてしまった。




僕の家は代々続く老舗のお店をやっていて、後継者が必要やった。
男で、体が丈夫で元気のある、後継者が。



僕は後継者に置いて、『男』ということしかクリアしていなかった。


体は弱いし、すぐ泣くし。
そんな僕のことが父は嫌いだったのだろう。だから家にあまり帰らず仕事にばかり行っていた。


でも弟は僕とは正反対で、元気に庭を駆け回って、いつもばあや達を困らせていた。
その頃からかな?父はよく家に顔を見せるようになった。




女の子みたいな白い肌に、病弱な体の僕。

男らしく日に焼けた肌に、頭のいい弟。




どちらが後継者に選ばれるかはもう誰もが分かりきっていた。




そして、そんな僕から母が離れていくのも当然やったんやろう。





でも、諦めの悪い僕はたとえ一番じゃなくても…二番目だったとしても、愛してもらえてるはずやってまだ信じてた。

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kt.(プロフ) - かすみんさん» ありがとうございます(*´∀`)もう少し続きますので、良かったら見てください! (2017年5月29日 23時) (レス) id: bde8abe515 (このIDを非表示/違反報告)
かすみん(プロフ) - このお話大好きです!読みやすいしすごくきゅんきゅんします!これからも更新頑張ってください! (2017年5月28日 3時) (レス) id: 17c27466bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kt. | 作成日時:2017年5月7日 16時

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