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それから引っ越ししても、誰かに見られて、悪口を言われている感じがして、この世界の全員が敵に見えてた。
おかんには平気なふりしてたんやけど、たぶん俺は精神的に不安定になってたんやと思う。
中三になった時くらい?かな。
気づいたら、あそこにいて、俺、『ウリ』しとってん。
あほみたいな話やろ?
養父に犯 されて、その後に同じような年のおっさん自分から犯 されにいくんやから…。
でも、その時だけはいっつも胸の中にある気持ち悪さがなくなんねん。気持ちいしか考えられんくなるから。
…やけど、それも一瞬だけ。すぐに後悔するねん。
やめようって何回も思った、でもやめられへんかった。
最近は、治っとったんやけどなぁ。
神ちゃんらとおるようになってからめっちゃ毎日安定してて、俺はもう大丈夫や、抜け出せたと思ってたんやけど…。
結局は俺は駄目なやつやってんなぁ……。
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しげが話してくれた話は僕が想像していたよりもずっと、苦しい話やった。話している間にも、しげの目からはポロポロ涙が溢れては流れ落ちる。
緑「しげは、駄目なやつなんかとちゃう、僕、知ってるもん。」
言いながら、僕の目からも涙が止まらへん。
緑「女の子が重い荷物持ってたらさりげなく持ってくれたり、いっつも、淳太くんにイタズラしてるくせに淳太くんが困ってたらチラッと助けてくれてたり、のんちゃんや、流星の個人練に付き合ってあげてたり、それに…」
緑「それに、一人やった僕に声をかけてくれた!」
僕は、しげの顔を両手で挟んで目を合わせる。
緑「なぁ?しげ、僕しげに出会ってめっちゃよかったなって思ってるし、これからもそれは変わらんよ?」
赤「神ちゃん、、、」
緑「やから、もう一人で抱えんとってほしい。しげは、僕の大事な人の一人やから、しげが苦しいと僕も苦しい。」
赤「…、うん、うん、!」
緑「ほんまに?…約束やで?」
赤「…約束、やぁ。」
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しばらく、また二人で泣いてたら、流星とのんちゃんが来て、びっくりさせてしまった。
しげが、直接は言いにくい、と言うので僕が今までの経緯を説明したら、二人とも怒り狂って
青「俺がその男殴ったる!!」
桃「俺もボコボコにしたる!」
って息巻いてたから流石に止めた。
そんな僕らの様子を見て、しげはひとしきり笑った後、
「ありがとう!」
と僕の好きなニコニコの笑顔で笑った。
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kt.(プロフ) - かすみんさん» ありがとうございます(*´∀`)もう少し続きますので、良かったら見てください! (2017年5月29日 23時) (レス) id: bde8abe515 (このIDを非表示/違反報告)
かすみん(プロフ) - このお話大好きです!読みやすいしすごくきゅんきゅんします!これからも更新頑張ってください! (2017年5月28日 3時) (レス) id: 17c27466bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kt. | 作成日時:2017年5月7日 16時