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赤「なんやねんっ!手ぇ話せや!」
緑「あっ、ごめん、…でも僕、しげに聞いて欲しいことがあって。」
手は握ったまま話す。
赤「早よ言えや。俺は授業受けたいねん」
迷惑そうな顔をしてしげが言う。
緑「…昨日のこと、謝りたくて。」
赤「…はぁっ?」
緑「人には見られて嫌なことってあると思う。それを僕が、デリカシーなくて、」
ごめん。
そう言おうとした。
赤「なんでっ、…なんで謝んねん!」
緑「え?」
しげは急に大声を出したかと思うと、座り込んだ。
顔を手で覆ったせいで握っていた手が離れる。
赤「引いたんちゃうん!?俺があんなんやってんの見て!それを、ごめんってなんやねん…!」
緑「し、しげ?」
ポタ、ポタ、
しげの手の隙間から、涙が溢れて地面に染みを作っては消えていく。
喉を震わせ、肩をしゃくり上げる
…しげは、
昨日の僕みたいやった。
助けてって言いたいのに、言えなかった昨日の僕。
でも、あの時、僕には支えてくれた流星がおった。
…ここに流星はおらん。
今、しげを支えられんのは、隣におる僕だけ。
僕は、流星みたいにくさいことが言えるわけちゃう。
のんちゃんみたいに元気付けてあげられるわけでもない。
自身もないし、なにもかも出来損ないの僕。
でも、そんな僕でも、力になれるなら、
僕は、僕なりに、思ったことをしげに伝えるだけや。
しげの隣に座って手をぎゅっと再度つなぎ直す。
さっきよりもきつく握って。
緑「なぁ、しげ、聞いてくれへん?」
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kt.(プロフ) - かすみんさん» ありがとうございます(*´∀`)もう少し続きますので、良かったら見てください! (2017年5月29日 23時) (レス) id: bde8abe515 (このIDを非表示/違反報告)
かすみん(プロフ) - このお話大好きです!読みやすいしすごくきゅんきゅんします!これからも更新頑張ってください! (2017年5月28日 3時) (レス) id: 17c27466bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kt. | 作成日時:2017年5月7日 16時