虹を待つ (ページ24)

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緑｢用事…？｣

赤｢うん、神ちゃんを家まで送る用事。｣

緑｢え、いいよそんなん！｣

赤｢いや、今日も調子悪そうやったし、途中で倒れてもあかんから｣

そ、それはしげがおったから！

赤｢楽屋でもあんまし、話してへんかったし、頭痛かった？大丈夫？｣

あ、もしかして、それで今日静かやったん…？
俺のために…？
やとしたら、俺ちょっとうぬぼれてまうやん。

緑｢う、ん…しげ、ほんまに…｣

好き。…大好き。

はぁ、この気持ちが言えたらいいのに。
切なくて、どきどきして、隣にいるってだけで泣きそうなんに。
それが言えないもどかしさ。

赤｢ほんまに、なに？｣

緑｢…大好き｣

赤｢…え？｣

緑｢へ？｣

え、今俺なんて言った？

赤｢…ほんま、に？｣

やばい、やばいこと言ってしまった。
その場の雰囲気と、2人きりというこのシチュエーションに流されて、言ってはいけないことをポロッと…。

緑｢…ごめ、忘れて｣

赤｢う、うん。｣

うう、前は恥ずかしくて見れなかったけど今は別の意味でもしげの顔が見れへん。

変な顔されてたらいややもん。

うわぁ、泣きそう。

緑｢ごめん、送ってくれるっていったけど、いいよ、ほんまに平気やし、｣

赤｢あ、うん。｣

緑｢じゃ、じゃあ｣

赤｢じゃあ、｣

気まずくて気まずくて、もう無理ー！って思ってた時にタイミングよくタクシーが。
いっつもやったら絶対乗らんし電車で帰るけど、今日はもうほんまにここから早く逃げたいって気持ちでいっぱいやからタクシーでかえる！

俺がにタクシに乗ろうとした瞬間、しげが俺の手を掴んだ。

赤｢…神ちゃん、ごめん、なかったことに出来へん。｣

運｢お客さん？｣

緑｢あ、ごめんなさい、いいです、行ってください。｣

タクシーの運ちゃんには申し訳ないけど、好きな人にこんなこと言われたら断れない。

しげが僕の手を握ったまま話し出す。ここで初めてしげの顔を見たけどもう真っ赤っかやった。
そんなん、期待してまうよ？

赤｢さっきの、好きってやつ、｣

緑｢…うん、｣

赤｢俺の勘違いやったらええねん。…でも、聞いてほしい。｣

緑｢うん｣

赤｢神ちゃん、好きです。…もし、神ちゃんも同じ気持ちやったら付き合ってくれませんか？｣

緑｢…っ、は、ぃ｣

しげも、おんなじ気持ちやったなんて。

今までにないくらに胸がいっぱいになって、涙が止まらへんかった。

もう、ほんまに、しげ大好き。