時代を創る (ページ6)

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途中まではよかったんだ。
どうしてこうなった…？

私は初心者コースと言えど、まるっきり初めてなのに必死に登りまくったらテッペンまで来てしまっていた。

降りる練習をする場面なのでマットも固い場所な為、2メートル程登ったら降りることをすっかり忘れていた。ここは多分4メートルくらい。しかも上の方は傾斜がついていて余計に怖い。ハーネスも付けていないので流石に怖い…。どうしよう…と固まっていると。風磨くんの声がした。

「A〜！一歩ずつ足場を降りてこい！ゆっくりでいいから！」

「う、うん…わかった！」

右足を一歩、下の足場に着けた瞬間。ズルッと滑ってバランスを崩した。悲鳴をあげる余裕もなく、声にならない声が喉奥から漏れ出た。両手で体重を支えるのは、ここまで登ってきた疲労と合わせるとかなりキツい。メンバーの悲鳴が下から聞こえてくる。収録中なので抑えてはいるが、不安げな視線を大量に感じる。

でも、まって？爪痕残すならここなんじゃないの？私！
そう考えると脳より先に身体が動いた。

「っしゃ！Aいきます！！！！」

私は4メートル超えの高さから下に向かって飛び降りた。
メンバーの大きい悲鳴とも歓声とも言えない声が耳に届いた。