時代を創る (ページ20)

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「「おはようございまーす！」」

挨拶して部屋に入ると一気に集まる5人の視線。ソワソワした表情をした男子達をみると、年に一度のイベントの効力を感じる。春香ちゃんが

「なーに？みんなソワソワしちゃって、顔にチョコくださいって書いてあるよー？」

「あったりめーだろ！こっちは朝からソワソワしてんだよ！」

「いや、開き直られたらそれはそれで引くんだけど。てかキレないで？ちゃんと今年もあるから。」

ドウドウ、と風磨くんを宥める春香ちゃん。健人くんとマリウスも今年もくれるの？ありがとう！とニッコニコだ。

全員に綺麗にラッピングしたパウンドケーキを渡すと、各々かわいい！おいしそう！などと言いながら写真を撮ったり、包みを開けたり、嬉しそう。頑張った甲斐があったな、と思う。

するとひとくち食べたマリウスが、すっごく美味しい！これ2人が作ったの？とキラキラ聞いてくる。私達は目を合わせて、う、うんと答えると、勝利と風磨くんが訝しげな目で見てくる。

「2人ってこんなに料理上手かったっけ…？めちゃくちゃ美味しいけど…」

「うーん、2人以外の味を感じる…」

疑われてる。てか私達の味ってなによ。ムッとした私が、文句言う人は食べなくていいでーす！と取り上げようとすると、嘘です！嘘！嘘！！とパウンドケーキを手で覆う2人。そんなに大事そうにしなくても。

おいしそうにもぐもぐ食べている聡ちゃんに、春香ちゃんが

「聡、どう？美味しい？」

「うん！すっごく美味しい！これなに？ケーキ？」

「パウンドケーキって言うんだよ。」

「そうなんだ、2人が作ってくれたから余計に美味しいよ！」

キラキラニコニコそう言われて、みんなこんなに喜んでくれるなら年に一度くらいはこの戦争を戦ってもいいかな、という気持ちになった。

「ちなみに、Aはパウンドケーキ？の何担当したの？生地？具材？」

そう、キラキラした顔で聞いてくる聡に、ラッピングだけとは流石に言えず、はぐらかすことしかできなかったのは、また別のお話。

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