__Koyama side. ページ10
「あ、シーゲー！！シーゲー！！」
「あんまり…大声で…呼ぶな」
今日はシゲとお互いオフ同士、遊ぶ事にした。
待ち合わせ場所にひと足早くついた俺はシゲを待っていた。
で、今来たんだけど…
フラフラして、頭抑えて、顔色悪くて。
辛そうだった。
「小山…悪い…遅れた…」
「いや…別にいいんだけどさ、どうしたの？風邪？二日酔い？」
「…後の方です」
「…あ〜、」
納得。
そういえば昨日丸山くんと呑んでたもんなぁ。
「じゃあ、俺ん家行こ」
「え？」
どこかに行こうと思ったけど、やめた。
こんな辛そうなシゲを連れて街を歩き回る程俺も街に出たい訳じゃないし。
家の方があったかいしね。
周りを気にせずくつろげるし。
何かと俺にとっても好都合。
「いや…いいよ、悪い。」
「俺も家の方がいいしさ。シゲも辛そうだよ？ね？家おいでよ。」
シゲが狼狽える。
こういうところは頑固だなぁ、なんて思いながらフッと笑った。
もう1度、ね？と呼びかけるとシゲは躊躇いながらも頷いた。
「お邪魔します…」
「どーぞどーぞ」
陽気に招く。
家についてからもやっぱり罪悪感は抜けないみたいで、シゲは縮こまってた。
そこからは色々、駄弁ってご飯食べてまた駄弁って。
その繰り返しだった。
「あのね、シゲ。今だから言うけど俺、丸山くんにね」
丸山くんの名前を出した瞬間、シゲから笑顔が消えた。
「なに？」
「少し前なんだけど、まっすーに気をつけろって。忠告されたんだよね」
「…丸山くんに？」
「そうそう。」
シゲは何か考えているような素振りを見せた。
部屋にしんとした空気が流れる。
が、そんな空気もシゲ自身の笑顔で消えた。
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作者名：カミ | 作成日時：2017年2月5日 19時
