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__Masuda side. ページ43

物心のついた頃からヴァンパイアハンターだった。
最初はなんとも思っていなかった。
これが普通だと思っていたから。
でもある日突然、これは普通じゃないんだと気がついた。

ヴァンパイアハンターということはトクベツなんだ。
俺はトクベツな存在なんだ。
そう感じた。

そう感じはじめてからはヴァンパイアハンターというものにやりがいを感じるようになった。
何せ、トクベツだったから。
でもそのやりがいも次第に薄れていった。
俺は普通じゃないんだと、どこから来たのかもわからない不安感が俺を襲った。

一度感じてしまった不安感はどんどん膨張していき、やがて俺を飲み込んだ。
それが今の俺。
ヴァンパイアハンターという肩書きを持った自分を心底醜く思い、酷く嫌った。

どこから来たのかもわからないこの肩書きは俺を鎖で縛り付け、十字架へとはり付けた。
吸血鬼を狩る度になんとも言えない憎悪感と嫌悪感が俺の心を支配する。
吸血鬼を狩る度に俺の心はどんどん黒くなっていくんだ。

まるで人を一人殺してしまったかのような錯覚に陥る。
そんな自分を人殺しと呼んだ時期もあった。

それなのに、神はさらに俺に追い打ちをかけてくる。
それに気がついた時には、これからなにがあろうとも見て見ぬふりをしようと心に決めた。
だから俺は何もしてこなかった。
それなのに、まるではやくしろと急かすかのようにここ最近吸血鬼が周りをうろちょろする。
ご丁寧に俺の血が欲しいとまで言うやつもいた程に。

だから中丸に助けを求めて手を伸ばした。
今思えばだけど、それがいけなかったんだろうな。
俺がひとりでこの身の回りの事を方付ければこんな風にならなくてすんだんだろうな。
心底そう思うよ。俺のせいだって。

あぁ、いつから俺はこんなネガティブになったんだろう?
だから手越にも小山にもシゲにも、お前は何か企んでる。なんて言われるんだろうな。
辛いよ。俺は。
このことを相談したら一番親身になってくれるであろうお前らを頼れないなんて。


あぁ、やっぱり俺は神に嫌われた存在なのかな?
なんて、悲劇のヒロインぶってみる。
そんな自分があまりにも似合ってなくて少しだけ笑った。

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作者名:カミ | 作成日時:2017年2月5日 19時

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