__Tegoshi side. ページ40
「やっべ、遅刻する!!!」
「手越さん!!はやくしてください!!」
「ま、待ってよマネージャー!」
朝からドタバタ、ドタバタ。
はい、さて問題です。俺はなぜ、今こんなにもドタバタしているのでしょうか!
遅刻しそうな理由を当てなさい!
…なんてね。
本当はこんなことしてる暇さえもないんだよ。
寝坊して、収録に遅れそうなの!!
「よしっ、行けるよ!マネージャー!」
「早く乗ってください!飛ばしますよ!」
「いや、やめて?!捕まったらさらに遅くなっちゃう!」
そう叫びながら急いでシートベルトを締める。
マネージャーの目がギラギラ光る。
まぁつまり、そういうこと。
マネージャーがそんな風になるまでヤバいってこと。
「行きますよっ」
「ヒィィ」
俺はシートベルトを握りしめる。
車が動き出す。
景色がなかなかの早さで流れていくのを横目に見ながら俺はふとある場所に目が行った。
「え…?」
それは細い細い路地。
薄暗くて気味悪い、まるで誰も近寄らないようなところ。
まず、そんな場所があるなんて普通は全く気が付かないようなところ。
そこに一人の男が立っていた。
しかもその一瞬なのに、相手は俺がここを通ることをわかっていたかのようにじっとこっちを見つめ、オマケに目が合った。
「今のって…」
なんで俺はその場所に目がいったのかわからないけど、そこには間違いなく何回か見たことのあるコーディネートを身にまとった人物が立っていた。
ほんとに一瞬通り過ぎただけ。
それなのに俺はその人物を目に捉えた。
しかも相手も俺を見ていた。
「ねぇマネージャー…?」
「はい?」
「まっすーって今仕事?」
「そうですね…朝の五時頃私がお迎えしましたので、この時間はまだ収録しているかと。」
「そっか…」
見間違いかな?って一瞬思ったけど、俺が見間違えるはずなんてないんだ。
まっすーのことを。
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作者名:カミ | 作成日時:2017年2月5日 19時