say goodbye２ (ページ4)

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__Masuda side. ページ4

『メンバーとの最後のクリスマスパーティを楽しんで』

あの残酷な言葉が頭にこだまする。
コイツらは知らないのかな。
これが最後だってこと。
コイツらは知らないんだ。
これが最後だってこと。
今年最後の満月は29日。
その日が来たら、すべてが終わる。

「クリスマスパーティー！！」

「おい！大声でそんなこと言うなよ手越！」

「気が早い奴だって思われちゃうって！やめて手越！」

こんなドタバタした光景も、あと数週間で幕を閉じる。
この光景に終止符を。
そんなこと、まだ知らなくていい。

「さてさてさてー！帰りますか！」

「お疲れ様～」

「お疲れ」

「お疲れー」

収録終わり、また今日も終わっていく。
また最後の日に近づいていく。
俺が普通じゃなかったから。
俺が普通じゃなかったから、こんな日常に終わりをつけなくてはいけなかったんだ。
いっそ、満月なんて来なければいいのに。
誰かが、破壊してくれないかな。
そんなアホなことを考えながら、小山と車に乗り込む。

「まっすー、見て。月が綺麗だよ。」

「…うん」

「俺、満月が好きなんだぁ…」

「…そっか」

いつもは小山を送るのはシゲだけど、今日は俺だった。
いいな、コイツ。誰かに送ってもらって。

「満月ってさ、見てるとすごい落ち着くんだよね。」

「俺は…満月よりも欠けた月の方が好きだけど」

「ふふ…っ、欠けた月だったらなんでもいいの？」

「まぁね」

ごめんな小山。
お前の好きな満月の日に、お前の好きなこの日常が終わるんだよ。
残酷だよな。
俺もそう思う。
誰よりも、そう思う。

「クリスマスパーティのプレゼントは、四人でなにか形に残るものがいいねぇ」

「…小山？」

「ね…？」

小山はずっと窓の外を見ていた。
そのおかげで、表情は見えなかった。
でも、頬でなにかが光った気がした。