never ending story【紫】 (ページ13)

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「うわー！里穂のお弁当美味しそう！」

「卵焼き、いる？笑」

「いるいる！！」

里穂に話を聞いて貰ったから少し気が楽になった。

気がする。

「なんかあったらまた言ってよ？」

「うん、ありがとう。」

人見知りで友達が出来にくい私にとっては本当に勿体なすぎる友達だ。

「なぁに食べてんのー？」

「えっ、深澤先生。」

なんで来るかなぁ。

深澤先生はよく生徒のお弁当を褒める。

いつも私のお弁当を「芳見さん手作り？うまそー！」って褒めてくれる。

嬉しくなって次の日、張り切って作ってしまったり。

でも今はだめだよ。

「あっ、えっ」

里穂は頭が混乱している私をみて、

「ちょ、ふっか先生！見るな変態！笑」

その場を凌いでくれている。

「変態って。笑」

「芳見さんはまた手作り？」

話しかけられた。

返さないと。

いつも通りに。いつも通りに。

「はい。て、手作りです。」

言えた。いつも通り。

「やっぱ美味そう、天才だな。」

「うわっ」

深澤先生が私の頭に触れようとした時、

私はその綺麗な手を避けて

壁にぶつかってしまった。

「え、あっ大丈夫！？」

「大丈夫です。大丈夫。」

私の体が拒絶したんだ。

もう触らないで下さい。

「ほら、大丈夫？」

私へと伸ばしてくれるその手が

「触らないで、っ」

今は嫌いだ。

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